くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ことり屋おけい探鳥双紙」梶よう子

2014-09-07 19:29:22 | 時代小説
 テーマの源泉は「青い鳥」でしょうか。
 梶よう子「ことり屋おけい探鳥双紙」(朝日新聞出版)。
 ことり屋というのは、おけいの夫羽吉が始めた店。三年前、青鷺を捕らえるために旅に出て、消息を絶ちました。おけいはその留守を守っているのです。
 羽吉の声色で毎日呼びかけてくる九官鳥の月丸。カナリアが好きでよく店を訪ねてくれる曲亭馬琴。隣の鳥籠屋や、近所の古着屋。そして、ふとしたことで知り合った同心の永瀬八重蔵。
 雑穀屋の二人の息子のことを描いた「まよいどり」が好きです。
 弟をかばって積み荷の下敷きになり、歩くことができなくなった与志郎。その遺体が大川で見つかります。
 与志郎と弟とは母親が異なり、店を継ぐのは弟の方がいいのではという話も出ていたとか。その弟は商用でしばらく戻らない。
 おけいは、与志郎が飼っていた鳩がいないことが気にかかりますが……。
 与志郎はある娘と鳩を介してやりとりをしていたのです。
 やりきれないものが残りますが、美しい物語でした。
 

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