くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「綾瀬はるか『戦争』を聞く」

2014-03-03 20:12:34 | 社会科学・教育
 岩波ジュニア新書を何冊か買うとき、ふとこれも気になったんですよ。「綾瀬はるか『戦争』を聞く」。NEWS23の特集企画だったようですね。
 出来事カレンダーを作るときに、長崎原爆のことを紹介すべく読んでみました。広島に関わる本は割とあるんですけど。
 長崎で被爆した女性。鏡を見ることができなかったそうです。アメリカ人たちが来て、写真を撮っていった。新聞に載った写真を、まだ持っている……。
 足下に遺体があり、茫然と立ちすくむ少女。写真の切り取り方が不自然なことに疑問をもち、彼女を探します。お父さんが近所の女の子を救い出す姿を見ていたのだそうです。その女の子との六十七年ぶりの再会。
 そういうエピソードがたくさん集められています。
 広島、長崎、沖縄、ハワイ、東北と、綾瀬さんは戦争への思いを聞き続けます。
 中でも、ハワイの項はショックでした。婚約者を亡くした女性が、その終焉を迎えた土地を訪ねるのです。真珠湾攻撃ですね。アリゾナ記念館を訪れた彼女は、憎々しく思っていたアメリカの人たちにも、自分と同じような苦悩があることを知るのでした。
 この記念館、日本軍に沈められた戦艦の上に建てられて、海中にはまだ何人もの方が残されているのです。
 このシリーズは、ご自身のおばあさんから原爆体験を聞かせてもらったことから始まっています。
 憲法のニュースもあれこれ報道されますが、わたしたちは平和を守り続けなければならないと感じました。