百田尚樹氏の保守新党がネット上に話題になっている。そこまでの決意を語ったことを高く評価するが、これまでの失敗の経験を踏まえるべきではないだろうか。主要メディアは百田氏のこうした発言に関して一切触れない。政党要件を満たしていないこともあるだろうが、今後もそれは変わらないだろう。
私たちが注目すべきは、LGBT法案の採決にあたって、どれだけの造反者が自民党から出るかであり、それが他党にも影響を及ぼさないかどうかである。
そこを見極めなくてはならない。造反者が40人を超えれば、政局になることは必至だが、それを期待するのは無理ではないだろうか。党議拘束に違反したとして、処分される勇気ある何人かをバックアップすべきだろう。
保守新党を結成する場合には、そうした処分組を中心に据えなくてはならない。また、政党として認知されるには、言葉で人を説得できる人材を集めなくてはならないし、理論武装するためにも、独自のシンクタンクを持たなくてはならない。
さらに、あくまでも政治というのは、数が物をいうわけだから、小異を捨てて大同に就くことが重要である。排除の論理を優先させるのではなく、反LGBTという一つの旗に結集しなければならない。そのためには、交渉力に長けた人間がいなくてはならない。
もっとも大事なことは、保守派であれば、国家緊急権の発動といった、最後のカードを切る覚悟がなければならない。物理的な力を軽んじることはできないからだ。憲法制定権力として、相手が革命権を行使してきたなら、即座に対処する準備も怠ってはならないのである。
誰もが予想するように、長期的にみれば、自民党は割れることになるだろう。保守か左翼かという次元ではなく、自立国家を目指すかどうかが、最大の争点になるに違いない。
行き着く先は核武装の有無である。アメリカの識者の多くが、日本の核武装に言及しているのは、差し迫った安全保障上の脅威に対抗するには、それしか手段がないことを知っているからだろう。
保守新党を立ち上げるにあたってのベストは自民党分裂である。その保守新党が右から揺さぶりをかけることで、日本は戦後レジームから脱却ができるのである。
そのドラマはすでに始まってはいるが、その主役を演じるべき政治家が誰なのかは、まだよく分からない。しかし、確実に日本は変わることになるだろう。もはや平和ボケではいられないからである。