TPP交渉参加をめぐっては、真の保守と戦後保守との間で意見が割れている。「反対するのはサヨクであり、安倍政権に弓を引くことになる」と口汚く罵るのは、戦後保守と呼ばれる人たちだ。しかし、アメリカのやり方を絶対視するのは、戦後サヨクの言説と一緒ではなかろうか。「日本の社会は遅れており、アメリカナイズされなければ日本はやっていけない」との思い込みがあるからだろう。丸山真男に代表される戦後サヨクは、日本の後進性をあげつらってきた。近代的な自我が根付かないことを、絶えず問題にしてきた。その延長線上にあるのが、アメリカによる構造改革の押し付けであった。日本がそれを受け入れるというのは、アメリカの戦略に屈服することである。この先も日本はアメリカの属国に甘んじるしかないのである。混合医療にしても、それによって儲かるのはアメリカの保険会社であり、製薬会社である。最終的には国民皆保険は名ばかりとなり、生活困窮者や高齢者をカバーするだけの制度になるだろう。さらに、看過できないのは日本の防衛産業が壊滅することだ。そうでなくても、今の自衛隊はアメリカの傭兵と化している。国産兵器の開発ができなくなれば、主権の回復などおぼつかなくなる。日本国民は怒るべきなのである。黙ってこのままおとなしくしていれば、戦後レジームを強化するだけである。反TPPの国民運動を盛り上げて、条件闘争に持ち込み、最終的には交渉を決裂させるべきだろう。安倍政権に対しても、これからは是々非々で対応するのが真の保守なのである。
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