昭和改元から来年が100年にあたりますが、やはり歴史は繰り返すようです。昭和初めと今の時代はあまりにも酷似しているからです。
トランプが再選されたことは、このまま自由貿易を続けていても、アメリカが衰退するだけであるのに気づいたからです。生産工場が次々と海外に移転し、白人のブルーカラーの働くところがなくなれば、自由貿易の盟主であったアメリカですか、考え方を根本から改めなくてはならないからです。
すでにアメリカの産業部門は大幅に縮小してしまい、科学者やエンジニアの数も少なくなってしまいました。いくらトランプが騒いでも、その流れを変えることは難しいと思います。
昭和4(1929)年10月24日、ニューヨークのウォール街で株式が暴落して、それが世界恐慌の発端となったのは、アメリカ議会に提出されたホーリー・スムート法が成立したためでした。
これによって2万品目以上の輸入品に非常に高い関税がかけられたのです。それに対抗するように、他国も高い関税をかけて対抗しましたから、アメリカの貿易は半分以下に落ち込みました、それが世界中に広がり、世界大恐慌となったのです。
第一次大戦後の一時期は、株で大儲けをした人がたくさんいましたが、関税が上がれば不景気になりますから、それを見越して一斉に株が売られたからです。この辺のことを、渡部昇一は『少年日本史』で解説してくれていますが、これからとんでもないことが起きつつあるのかもしれません。
トランプのアメリカファーストにケチを付けるつもりはありませんが、ここが世界の英知を結集して、落としどころを探らなければなりません。自由貿易で生きている日本にとっては、それはまさしく死活問題であるからです。