草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

政治に宗教的な救済を求めたのが団塊の世代の左翼だ!

2019年06月24日 | 思想家

政治の役割はあくまでも相対的なものであり、「天下を丸めて」くれて、平穏な日々と繁栄を保証してくれれば、それで満足すべきなのである。それが日本人の伝統であったが、政権の正統性が問題にされるようになったのは、山本七平によれば、忠義の士を賛美した浅見絅斎の『靖献遺言』によってであった。江戸時代になってからなのである▼政治がうまくいっているかどうかよりも、絶対的な世界観が重要視され、戦後の日本においては、それがマルクス主義であった。スターリンや毛沢東が神聖化されるにいたったのである。そのことを問題にした山本は「これは、元来は『政治が宗教でない世界』が、『政治が宗教である世界』に抱く羨望であろう」(「政治が宗教になる世界」)と書いたのである▼団塊の世代の左翼が未だに考えを改めることができないのは、転向することへの、後ろめたい思いがあるからだろう。政治に宗教的な救済を求めた者たちは、そこから抜け出すことが困難なのである。殉教者を絶対視するからこそ、「変節」することへの抵抗があるのだ▼今の若い世代は、その呪縛から解放されている。冷静な目で政治を分析することができるのは、そうした宗教とは無縁であるからだ。政治ができることには限界がある。何もかも政治のせいにすること自体、ある種の宗教である。私たちは「政治が宗教でない世界」を守り、育てるべきなのである。

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