共産党は党勢拡大をあきらめたのだろうか。そんなことがあるわけがない。民主党の候補者を参議院選挙で応援し、反自民陣営の一角を形成し、そこに足場を築こうとしているのである。志位委員長が22日に記者会見し、参議院の定数1の1人区への対応について、21選挙区の大半で候補者を擁立しないことを明らかにした。「安保関連法案廃止」を公約に盛り込むことを条件に、民主党をバックアップしようというのである▼踏み絵をさせることで、共産党の影響力を高めようというのだ。社民党や生活の党は別にして、民主党や維新の党までもがすり寄っていくのはぶざまである。日本の根幹である安全保障問題で、そんなに簡単に歩み寄れるのだろうか。共産党は日本を敵視している中国共産党と仲直りしたし、核武装を強化し、ミサイル開発に血眼になっている北朝鮮の脅威に関しても、正面切った批判をほとんどしない。あくまでも戦争を引き起こすのは、安倍政権であるとの見方である▼安倍首相が「民主党が共産党化した」と述べたことは的を射た発言であった。社会主義インターナショナルが「フランクフルト宣言」を発表したのは1951年のことである。そこで明確にされたことは、共産主義への訣別であった。社会主義インター綱領でも「自由なくして社会主義はありえない。社会主義は民主主義を通じてのみこれを達成することができる。また民主主義は、社会主義を通じてのみ完全にこれを実現することができる」と表明している。全体主義である共産党と手を組むなどというのは、自由を否定し、民主主義に背を向けることなのである。
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