小池百合子の乱は単なる自民党への造反ではなかった。今回の東京都知事選挙は日本の政治を根本から変えるきっかけになるだろう。自民党東京都連の意向を無視して、小池を支持する都民の輪が次々と広がっている。たった一人で飛び出したのに、いつの間にやら多数派を形成しつつある。誰が指導したものでもなく、あくまでも自然発生的な動きである。明確な方向性があるわけではないが、新たな保守の台頭として理解されるべきだろう▼安倍首相もそれを無視できなくなって、自民党推薦候補の応援をすることができず、小池候補は自民党を除名されることもなく選挙戦に入ったのである。楽観は許されないが、このままでいくと勝利の女神は小池に微笑むことになり、安倍首相は小池候補と握手することになるに違いない。時代の変動期にあっては、大胆に行動する者が局面を切り拓くのである。臆病な官僚や政治家にはそれは無理である。その後に続くしかないのだ▼従来の力関係からすれば、組織からの応援はまったく見込まれず、小池候補の決断は無謀そのものであった。彼女の勇気は高く評価されるべきだろう。政治家に求められるのはリーダーシップである。自らの政策を訴えることで人々を説得しなくてはならない。小池候補の演説はその点でも他候補に優っている。小池百合子の反乱が東京大改革を実現すれば、当然のごとく日本の政治にも大きな影響を与えることになるだろう。
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