政治が結果責任であることは、国民の誰もが知っているが、公約がなし崩しになってしまうのでは、国民を裏切ったことになりはしないか。安倍首相は真正保守の応援で政権を手にしたのではなかったか。にもかかわらず、TPP交渉参加、消費増税、靖国参拝の見送りといったように、真正保守の気持ちを逆撫でしている。それでもマスコミの世論調査では、高い内閣支持率を誇っているのは、政治が混乱して欲しくないからだろう。こんなことでは戦後レジームからの脱却もおぼつかない。日本を取り戻すために自民党を政権に復帰させたわけなのに、それはかなわぬ夢であった。消費増税とTPPで、日本はどん底になるだろう。真正保守がいかに抵抗しても、大きな流れは変えようがない。もはや坂口安吾の『堕落論』しかない。大東亜戦争の敗北後、安吾は「堕ちる道を堕ち切ることによって、自分自身を発見し、救わなければならない」と書いたのだった。未だに日本は堕ち切っていないから、日本を救いだせないのである。これからの日本は、破壊され、荒涼たる世界になるだろう、人々は繁栄からどん底に突き落とされるだろう。しかし、そこを通り抜けなければならないのだ。「戦争は終わった。特攻隊の勇士はすでに闇屋となり、未亡人はすでに新たな面影によって胸を膨らませているではないか。人間は変わりはしない。ただ人間へ戻ってきたのだ。人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利は近道はない」。生温い戦後の平和惚けから抜け出すには、日本は堕ち切る必要があるのだ。いかなる悲劇が待っていようとも、それを突き抜けなければ、日本は取り戻せないのである。
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