朝日新聞などのマスコミが持ち上げてきた国家が、日本に牙をむいてきた。民進党の支持者ばかりではなく、共産党の党員にも動揺が走っている。北朝鮮に関するニュースを見たくないのだそうだ。平和ボケの観念論が否定されたからである▼竹山道雄にとっては、先の戦争を推進した者たちも、戦後民主主義を絶対視した者たちも、同じ思考の持ち主であった。竹山は『昭和史の精神史』でそのことを論じている。異常なムードのなかの国論の一致を「社会的集合的知覚」と位置づけ、生半可な知識のあるインテリの現象と見たのだ。竹山はその危険性を説いたのである。「いつからか事実から主発して考えることをやめて、むしろある体系にあてはめて事実の判断をする習性をえたので、それがこういう傾向をよけいに助長したように思われる。そして、この事実からはなれた架空の映像の中での絶叫は、現在も続いている」▼ようやく「社会的集合的知覚」に終止符が打たれるときが到来したのである。国論をリードしてきた「架空の映像」が存在しないことに、多くの日本人が気付きつつある。常識のレベルで考えるなら、東アジアの情勢が深刻になってきているのは明らかである。事実から出発しなければ、国を誤らせてしまうのである。賢しらなインテリよりも常識人の方が判断力の点で優っている。マスコミよりもネットなのである。
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