草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

陛下のお息を感じた多くの東北人の祈りが通じますように!

2012年02月18日 | 思想家

 天皇陛下がお受けになられた心臓の手術が無事に終わったというのを聞いて、私もほっと胸をなでおろした。ご容態が安定されるまでは、集中治療室でお過ごしになられるわけだが、心ある国民は、一日の早く陛下がお元気なお顔をお見せになれることを、お祈り申し上げているのである。陛下はお若いときに日本の敗戦をご経験されており、それだけにご苦労も多かったとご推察される。しかし、ご即位にあたって「大行天皇のご威徳に深く思いをいたし」というお言葉をお述べになられ、祭りごとをお重んじられ、自らも稲刈りをなさっておられる。江藤淳は昭和60年の園遊会のおり、先帝陛下がすぐ近くまでお越しになられて、「江藤かい、いまでも漱石やっているの」との一言に、「私は陛下のお息を感じたのです」(大原康男との対談・「Voice」平成元年3月号)と述べている。それと同じく陛下の息を、今回東北の人たちも感じたのではなかろうか。大原は「息(し)は霊(ち)と同意通義ですから、すなわち霊ですね」と解説していたが、東日本大震災でかけがえのない家族を失った者たちを前にして、一緒にお泣きになり、苦しみを共有しようとされるお心遣いに対して、東北人は深く感動したのだった。そして、もったいなくも、陛下の霊に触れることができたのである。来週の月曜日午後には、ICUからお出になられると思うが、今は私も、ただただお祈り申し上げるだけである。

 
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保守民族派の使命は暗闇のなかで一燭の明りを灯すことだ!

2012年02月18日 | 思想家

 昨日東京に出かけて、霞ヶ関や新橋、それに新宿の周辺を歩いてみたが、以前のような活気が見られなかった。夕方から都心でも雪に見舞われたこともあるだろうが、ある種の閉塞感が人々を蝕んでいるからだろう。近いうちに予想される大震災への不安感、福島第一原発による影響も他人事ではなくなっているのだろう。しかし、そうであればなおさら、希望の灯火を絶やさないように、私たちは努力するしかないのである。保田與重郎の手になる「日本浪漫派廣告」がコギトに掲載されたのは昭和9年のことであったが、その当時のように、投げやりなデスペレートな空気が今の東京をおおっているのではなかろうか。夜の高速バスのなかから眺めた荒川の流れは、どんよりと蛇行して、いつになく闇が深い気がした。保田は昭和44年出した『日本浪漫派の時代』で、後に続く日本の若者に対して、希望のメッセージを書き綴っている。「一時期の絶望に、我々の青春は呻吟しつヾけた。四面は閉され、失望と挫折と暗闇が、環境をなしてゐた。さうした洞窟の中で、一燭の明りが、天地の始まり、生命の原始に燃えた太陽の光と同じものだとさとるやうな心境から、国は民族の運命は回復し、再建されたのが皇国の歴史である」と書いており、その一つの例として、吉田松陰や北畠親房のことを挙げている。松陰が最後の獄中で、国語の文法を学び、親房が四面皆敵の包囲するなかで『神皇正統記』表したことに触れ、そこに一点の光を見い出したのである。希望を捨てずに、闇に穴を開けることの必要性を、保田は私たちに説いているのである。

 
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