公的年金の市場投資で2015年度の損失が5.1兆円にも上る・・
年金運用に関しては「GPIF」の4文字が必ず出てきます。この意味を年金生活者はしっかり知っておかなければなりません。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)、LGBT(性的少数者)、MVNO(仮想移動体通信事業者)・・などなど覚えなければならない4英字が次から次へと多いですがGPIFは必須知識です。見過ごしていると私たち国民の年金がいずれ紙くずにさえなりかねません。
GPIFの実体は投資家!!
GPIFは「年金積立金管理運用独立行政法人」のこと。舌をかみそうなほど長い和訳ですね。英語のほうがむしろすっきりします。Government Pension Investment Fund 直訳すれば「政府年金投資ファンド」。つまり国民から預かっている140兆円の年金を投資の資金に運用している準役所なのです。この役所のような組織の実態は「投資家」そのものなのです。それも140兆円も自由になる世界最大の機関投資家なんですね。
GPIFは安倍政権の成長戦略の目玉です。本来出資者である国民に市場投資の了解を求めよりも海外の投資家へのアピールに熱心だ。年金オーナーの国民不在のまま年金資金を、海外投資家に向け日本株の買い宣伝材料にしています。
もともとは年金は、自分が積み立てたものを将来受け取る「積立て方式」だったものが今では、勤労世代が高齢世代を支える「賦課方式」に変更してしまった。老人と若者たちの対立関係さえ導きかねないシステム改悪です。
リスク水準、投資構成(ポートフォリオ)は本来、国民が決めるべきでしょう。GPIFという組織自体が国民のものになっているといえるのかどうかとても疑わしい。
ハイリスクな株投資に年金は向かない
安倍政権は年金積立金のポートフォリオの中で安定した日本国債を60%から35%に減らし、株式投資部分を24%から50%に引き上げた。年金資金の半分が不安定でリスクのある株式市場の投入されているということになります。個人の家庭に置き換えて考えてみましょう。老後の不安にと蓄えた虎の子(大金)の半分をも株に投資をするでしょうか?そんなギャンブル爺さんは家族から顰蹙(ひんしゅく)を買うことでしょう。
年金は堅実な運用で願いたいもの。ギャンブル性の高い株式投資でなく、国債のような変動の激しくないもので着実に運用するべきと思います。“ギャンブラー、GPIF爺”にはとても任せられない。危うい。危険ですね。
【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔
GPIF 世界最大の機関投資家 | |
小幡 績 | |
東洋経済新報社 |
大竹まこと&辺見えみり:GPIFの株式運用による年金積立金の損失が確定
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます