ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

「魔女狩り」を考える

2013年07月02日 | 研究・書籍

7月に入りました。今年も後半です。がんばりましょう。

『魔女狩り』(黒川正剛著)を読み魔女について考えています。魔女(witch)はヨーロッパの民間伝説、悪魔と結託して人に害を加えるとされた。転じて悪魔のような性悪(しょうわる)な女。不思議な力をもった女・・。

1400年~1800年にかけてヨーロッパでは約5万人が魔女とされて処刑されています。その8割が火刑。ハンセン病患者も牢に入れられ処刑されたとも。魔女とは中央集権化を進めつつあった近代国家が生みだした犠牲者だったのでは・・。官僚主義化した司法の拷問重視、「自白」偏重の歪んだ形。近頃も国連の拷問委員会でモーリシャス代表に「日本の刑事制度は中世並み」と指摘され日本の某大使が激怒しましたが、欧州の魔女の歴史を某大使にも学びなおしてもらいたいと思いました。

「魔女」が生まれた背景には「貧困」もあります。(貧者)物乞い→(市民)拒否→(貧者)呪いの言葉→(市民)激怒→(世間)偏見・・のサイクル。

スケープゴート(Scape Goat)もよく似ていると思いました。人々の不平不満、憎悪を他にそらすための身代わり、社会的弱者や異教徒、少数民族が排除の対象に仕立て上げられる。「魔女狩り」とも共通しています。

現代にもある「魔女狩り」

今日でも、身近なところでも「魔女狩り」的なことが起こっていると思います。ホームレスへのいじめ、学校内でのいじめ、ブラック企業内での暴行、差別の先入観による冤罪事件、長期拘留による自白強要などなど・・。偉そうに「シャラップ」などと怒鳴っている場合かと思ってしまいます。

にほんブログ村 雑感

図説 魔女狩り (ふくろうの本/世界の歴史)
黒川正剛
河出書房新社
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする