ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

地中熱利用で創エネ生活を

2012年07月28日 | 経済

当広場「未来を拓くのは地熱だ」でご紹介したTBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」の「うるおい生活講座」に、日本地熱学会評議員の安川香澄さんが登場しお話しされました。

火力発電並みの低コストが可能

地熱発電の掘削(くっさく)コストは1km当たり1億円。2~3kmがメインになるので2~3億円の初期コストが必要。設置当初は1kw/hで20円かかるが15年で投資回収したとして最終的には5~8円に下げられる。これなら火力発電並み。温泉業者との利害の重なりは、技術的なモニタリングを行えば理論的には心配はないし利用もできる。温泉によっては新しい技術を積極的に採り入れたいところもあり地域間に温度差。現在、日本には18カ所しか地熱発電所はない。エネルギー量としては0.2~0.3%で風力発電と同じくらい。しかし残念なことに2000年に入ってから日本では地熱発電所の新設が一つもない。海外では、この間にどんどん進んでいるのに遅れをとってしまった。
ベストミックスの発電構成を考えたなら、24時間安定して供給できる地熱発電をベース電源として活用しない手はない。

魅力ある地中熱ヒーポン

地熱の応用は、家庭では「地中熱ヒートポンプ」が考えられる。井戸水は夏は冷たく、冬は温かい。地中熱を熱交換するこで冷暖房ができヒートアイランド現象も抑えられる。発電以外にも熱は熱のまま活用して「うるおい生活」へ。

地熱への意識は高まってきてはいるが、普及には時間がかかるものなので一過性のブームに終わらせることなく長い視点で5年、10年と政府も一般の人も見守っていただきたい。

同番組の「うるおい生活」コーナーは約10分間でしたが、安川さんの優しいお声から中味の濃い凝縮された提言がポンポン飛び出した。地熱の利用が発電から家庭へ冷暖までと国民的な理解がますます進むことを願います。

【イラスト写真】東京サンヨーグラフニュース(1984年特集号)「西暦3000年の日本」からの抜粋。1984年、この年の9月、東京三洋電機は吸収ヒートポンプをスウェーデンの地域暖房用に初出荷。

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