ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

群馬の反原発学者、高木仁三郎

2011年05月10日 | 原発震災・原発問題

きょうは昼ごろ北風が強く吹いていた。その空気がなんとなく鉄の臭いがしてならなかった。

一般の新聞を注意深く読んでいるだけで、放射性物質が身近に忍び寄って来ていることが分かる。足利市の牧草からヨウ素90ベクレル、セシウム650ベクレル。熊谷市の牧草もヨウ素90ベクレル、セシウム420ベクレル。(上毛新聞5/3)

前橋、高崎、館林の3市の牧草から国の基準を超える放射性物質セシウム。前橋750ベクレル、高崎530ベクレル、館林440ベクレル。(朝日5/7)

なにげなく聞いていたTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」で、16年前に浜岡原発の賛否をめぐって、原発反対派と賛成推進派の論戦があったことを話題にしていた。

反対派の論客は、高木仁三郎氏。「もし大地震が起きれば原発の給水系は壊れ制御棒はメルトダウンする。原子炉がいくつもある福島、福井では複合的に壊滅する」

スタジオの大沢悠里氏らは高木仁三郎の予測が、今進行中の福島第一原発の有り様とあまりにも同じ、と驚きの声を。

賛成派は、官庁の課長。「反対派は原発がいかに危険かばかりを議論している。安全この上ないのに。事故は仮想にすぎない。事故は決して起きないからマニュアルは不要。万一事故があったらマニュアルは役立たない。事故があったら終わりだ」

賛成派の官僚の言葉は乱暴だが、「終わりだ」は、制御不可能の原発の恐ろしさを反面表現している。

原発関係の書物を読んでいると「高木仁三郎」の名前がしばしば登場してくる。

高木 仁三郎(たかぎ じんざぶろう1938-2000)。物理学者、理学博士。群馬県前橋市の医師の息子。前橋高ー東大理学部化学科卒業。 専門は核化学。

「腐った“原子村”と闘った男。電力会社からの口止め料3億円(現在なら100億円相当)を断った科学者」として今発売中の『週刊現代』5/21号でも詳しく紹介されています。“電力国策”に背く学者とマークされ尾行こそ付いたもの、研究費は付かず苦労したこともあり自身の私財で「高木基金」を創設、後進の研究者育成にも気を配った人。

参考サイト:高木仁三郎の部屋

放射能汚染の厳しい状況がこれからもつづきますが、郷土からも脱原発に苦心した立派な先人がいたこと、その遺志を無駄にしないで継承したいものです。

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コメント (4)
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