ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

話題作『君の名は。』をみる

2016年12月12日 | 映画・芸能

平日ということもあり観客は若者の姿より中年の大人達が多かった。それでも私たち夫婦が一番高齢の部類に感じた。

『君の名は。』は邦画アニメでは現在歴代3位、興行収入は194億円超、世界92カ国配給も決まりいまや社会現象を生み出すまでに至るとの報道。

ここまで言われては後学のために見ておく必要があるように思えてしまった。

内容は田舎町に暮らす女子高生と都会で生活する男子学生の心と体が入れ替わる。そして千年振りとなる彗星の落下、二人の高校生の純愛と奇跡の物語です。

眠り魔に負けがちな私が途中で寝入ることなくしっかり最後まで見ましたからまずは及第。涙が1回こぼれた。
画面の中では実在の会社名がはっきり出てくる。主題歌もたくさん流れてきて、かえって印象が薄くなっている。広告の力が目立つ。

メガヒットの立役者として東宝の宣伝プロデューサー、弭間(はずま)友子さんが『日経ウーマン』2017年1月号で紹介されている。ここまで話題を呼ぶには予告編を数バージョン作るなど地道な宣伝の努力があったようだ。

もし天災の「彗星」でなく人災の「原発」だったらどうだったろう。もっとインパクトとリアリティが出たのではないかと思った。妻は「人と人との出遭いの不思議さ」を感じたと話している。

当方の評価は75点。

 


君の名にちなんで、ママズ&パパスで 『I Call Your Name』♪

 

THE MAMAS & THE PAPAS - 1966 - "I Call Your Name" 

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DVD『ボスニア戦線』

2016年10月18日 | 映画・芸能

ジャーナリストものの映画では、ES細胞捏造事件に果敢に向かっていった『提報者』(韓国)が傑作だっただけに『ボスニア戦線』もきっと、と期待したが・・

1997年スペイン・フランス・ドイツ・アルゼンチン4カ国による作品。旧ユーゴスラビアの分裂の抗争の一つ「ボスニアーヘルツェゴヴィナ戦争」を取材するスペインのテレビ報道クルーたち。

女性ジャーナリスト、ラウラが放送機材を持ち紛争の現地サラエボに到着するところからストーリーは始まる。
現地の報道スタッフは、戦場での劇的なシーンをとにかく狙って撮ることでビジネス的な快感を求めているようにさえみえる。使命感というより快楽追求、享楽的といった感じだ。新入りの女性レポーターには冷ややか。それでいていつしか理解しがたい安易な同僚間のセックスに・・。



作者の意図がよく分からない映画でした。一般市民を巻き込んでの激しい戦闘シーンは迫力がありました。実際の市街戦はこのようなものなのだろうと思う。しかし報道記者としての眼が、特ダネ(名誉・金)目当てのいやらしいスナイパーのようで好感がもてない。内容的には悲惨な市民の姿や戦闘場面以外は少しも感動しない作品。ちなにみカメラは日本製、SONYだった。

100点満点中50点。

 

 

【戦場レポート】ボスニア内戦~民族紛争の真実~

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懐かしい初代『剣客商売』

2016年09月08日 | 映画・芸能

剣でも斬れぬもの それは人の心
死に立ち向かう人の苦しみを救うもの
それは いたわりだけ・・という(秋山)小兵衛の言葉が この時 若い(秋山)大治郎の胸に熱く深くこだましていた・・」

上記はTVドラマ『剣客商売』、きょう13話「鬼熊酒屋」でのさいごの語り。加藤剛、山形勲出演の『剣客商売』が今、BSフジ(月~金9:00)で放映されています。

1973年にテレビ放映されたものの再放送。毎回欠かさず見ています。
味のある山形勲(父親小兵衛役)、実直な加藤剛(息子大治郎役)の息が合っている。
く二人並んで歩く姿を見ていると小学生時代の校長先生と優しかった加藤剛似の担任の先生を思い出します・・。

 

【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔

剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)
池波正太郎
新潮社
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吉永小百合さんの祈り

2016年08月12日 | 映画・芸能

吉永小百合が姜尚中と対談。「みんな、声をあげて!命が押し潰される前に」
改憲、原発再稼動から貧困格差まで・・“新しい戦前”が到来しつつある
日本の危機を回避するために---『女性自身』2016年8/23・30号

 早速読んでみました。
吉永小百合さんも、週刊女性自身(光文社)も、勇気ある発言と企画であったと思います。

小百合さんは、若い頃お母さんに「なぜ戦争は起こったの?反対はできなかったの?」と質問した。そしたらお母さんは、ひと言「言えなかったのよ・・」って。

選挙権が18歳以上に引き下げられたものの、今学校では政治的なことは話してはいけない空気がある・・。

姜尚中さんも「最低限、戦争はダメという暗黙の了解があったけど、そのタガが急に外れつつある」・・と。

昔、サユリスト(小百合ファン)のクラスメイトがいた。あるときサユリストのバッジを付けたもの同士が何かの機会に偶然出会う、すると互いに感激し合ってすぐに旧知の間柄のように親しくなってしまうのを横で見ていました。一種おそるべし“サユリスト党”と感じたものです(笑)

吉永小百合さんの時代を憂う気持ちは、よくわかります。
清純なイメージは、71歳の今なお健在、敬服します。

これからも積極的にメッセージを発信してください。

 

女性自身 2016年 8/23・30合併号 [雑誌]
吉永小百合「みんな、声をあげて!」
光文社

映画『いつでも夢を』(吉永小百合)

 

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『提報者』に見る報道人の正義

2016年07月01日 | 映画・芸能

2005年韓国で実際に起きたES細胞捏造事件を映画化したドラマです。
DVDで2回観ました。とても傑作です。

盲信した国民多数の恐ろしさ

「国益か真実か・・」簡単に択一するのはむずかしい。しかし選ぶなら真実でしょう。「真実を明らかにしてこそ国益だ」とドラマでも制作局長が言う。しかしすでに誰もが敬意を払っている巨大な権威を相手に、その真偽を問いただす事は容易ではありません。報道機関に勤める者としては辞職を覚悟して向かわなければならないほどハードルが高い。すでに不実を盲信している国民を敵に回すことにもなる。

真相を放送で流すかどうかテレビ局の社長も悩む。主人公は捨て身で、車で帰宅する寸前の社長に直訴する。感動的なシーンでした。報道人の意地と誇りを知る思いです。
「放送の主人は国民である。公平性、正確性、客観性をもって真実だけを伝える放送の自由を死守して社会貢献したい!」


参考取材で、肝細胞医学の最高権威の先生が語る言葉も重い。
「国民をあおるマスコミ、精査せず血税をつぎ込む政府も問題だ。また(捏造疑惑の)博士のおこぼれを待つ学者たちも情けない」

この構造は、わが国で起きたSTAP細胞事件にも共通したものを感じませんか。研究機関、マスコミ、巨額な予算・・

提報者(告発者)の意志を継承

理研を舞台にした日本のSTAP細胞事件(2014年)、米国ベル研究所のシェーン事件(2002年)、そして韓国の黄禹錫博士によるES細胞事件(2004年)は、科学をめぐる「世界3大捏造事件」といわれ後世に語り継がれていきそうだとも。(『捏造の科学者』(須田桃子著:参照)

国家の威信を考えれば事件そのものを隠蔽したくなるような不祥事を、勇気ある告発者(提報者)の行動を受け報道機関の正義の力で真実を明るみにし、映画化まで仕上げた韓国。その自浄作用、国家の成長は見事だと思いました。

 

提報者~ES細胞捏造事件~ [DVD]
パク・へイル主演 (2015年)
TCエンタテインメント

 

『提報者~ES細胞捏造事件~』予告編

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ささいな事で争う「家族はつらいよ」

2016年03月28日 | 映画・芸能

映画『家族はつらいよ』を観ました。
三年前の『東京物語』と同じような出演者、監督による傑作。「ポポロの広場2013年2月14日」ご参照。

突然の老夫婦の離婚問題をめぐって家族内が大波乱。しかし内容はユーモアいっぱいの喜劇。
映画館内では、中高年の夫婦らしき人たちの笑い声があちこちで・・
私も最後まで一睡もすることなく笑っていられた。良い作品だったあかし。

ささいなことで言い争う家族。
外からは、ささいにみえても当人たちにとっては、決して小さくない問題に映っている。接触時間の多い間柄だけに、それぞれが積もりに積もるとある日、ある時爆発しかねない。

サーカスの『家族写真』の歌詞の一節が思い浮びました。

~ひとつ屋根の下で
喧嘩したり泣いたり~
それでも最後は夕ご飯を囲んだ~ ♪

 

家族はつらいよ」オリジナル・サウンドトラック
「男はつらいよ」20年記念
ユニバーサル ミュージック

  【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔

サーカス 「家族写真」

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懐かしい米国映画 『折れた矢』

2016年02月22日 | 映画・芸能

(今日はgooブログのお題投稿「好きな映画」に参加してみました)

高校時代に見た映画で、今もDVDで保管している映画が『折れた矢』(Broken Arrow)、推奨します。

小さい頃から西部劇が大好きでボブホープの『腰ぬけ二丁拳銃』のマネなどしていました。それまでどの西部劇でもインディアンは、突然襲撃してくる悪役のイメージが固定していました。ところがこの『折れた矢』では、その見方が逆転していたのに驚きでした。

主人公、トムは白人青年ですが、傷ついたアパッチの少年を助けた時から「インディアンも母親は子のために案じて泣き、公共な精神を持っている」と学習し自身の考えを修正しました。

アパッチ族の大酋長コーチーズは「戦争を始めたのは白人だ。お互いに信用し合うことが平和の道」「アパッチにも白人にもワルイ奴もいるし良い奴もいる」と冷静に話している。

アパッチ族は酋長たちが集まり合議制をもっていた。白人の攻勢を前にコーチーズが各酋長に向かって語る言葉が素晴らしい。「強風に向かってもなぎ倒されてしまうだけだ我々も新しい生き方を学ばねばならない。変化を受け入れるべき時だ

いつの時代にも穏健な和平派に反発する徹底抗戦のラジカルなグループが発生する。コーチーズの主張はなんとも弱々しい、と怒りアパッチ族を去って新集団を名乗ったのが「ジェロニモ」だった。

この映画の見所は、主人公トムとアパッチの少女ソンシアレイとの純愛、やがて結婚する人種を超えたロマンなのですが、なんといっても全編に渡って先住民・インディアンの立場を正しくとらえようとしている姿勢が好感が持てます。何回見ても良い映画です。

 

折れた矢 [DVD]
Broken Arrow 1950年アメリカ作品
ジェームズ・スチュワート ジェフ・チャンドラー デブラ・パジェット

 

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終わらない「映画」はない

2016年02月19日 | 映画・芸能

文藝春秋3月号での「88人最期の言葉」が面白かった。

88人のそれぞれのお別れの言葉、意味深いものですが、特に印象に残ったのは次の3つです。

「消えていくでござる」
やなせたかし(享年94歳)
無駄な抵抗はせぬ。ゼロの世界に消えていくでござる。


「なにになってもいいではないか」
湯川秀樹(同74歳)
今度生れてくるくるものは何になってのいいではないか。合理的に考えるから宗教にならないわけ。


「終わらない映画はない」
淀川長治(同89歳)
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ


20代で亡くなった歌手の尾崎豊や一ノ瀬泰造(戦場カメラマン)などもそれぞれ最期のせつない言葉がありました。著名人に限らず、ポポロ(庶民)も日頃話しているその人の持説や口癖そのものが家族や友人の脳裏に残ればそれも「最期の言葉」なのだと思いました。

 

文藝春秋2016年3月号[雑誌]
88人最期の言葉
文藝春秋

淀川長治  サヨナラ♪ サヨナラ♪ サヨナラ♪

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映画と小説で『天空の蜂』に刺され

2015年10月05日 | 映画・芸能

東野圭吾原作『天空の蜂』を映画と小説でみてみました。

映画では、前半のヘリコプターが自動操縦されそこに乗っていた少年の救出劇あたりの場面で、ひと眠りZZZ・・。その分後半はしっかり見ました。

この作品が、チェルノブイリ原発事故後ですが日本ではまだ大きな事故が表ざたになってはいない1995年の着想であったことは、すばらしいと思います。

原子炉の恐ろしさを予言

小説では、犯人からの最後のメッセージが詳細に記されています。
「今回の試みは我々からの忠告である。沈黙する群衆に原子炉のことを忘れさせない。その存在に気づかぬふりをさせてはならない。自分たちのすぐそばにあることを意識させそのことの意味を考えなければならない・・(略)・・原子炉は様々な顔をもっている。人類に対して微笑むこともあれば牙を剥くこともある。微笑みだけを求めるのは傲慢である・・(略)・・子供は刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る・・ 天空の蜂」

翻って2015年の今、日本。私たちは、すでに原発震災を経験し原子炉のキバをむいた形相をはっきり見てとれました。子供ばかりでなく大人たちも蜂に強く刺され、その痛みその恐ろしさも十分に知らされました。

しかし、どうでしょう。3.11原発事故から4年半。のど元過ぎて熱さ忘れ「沈黙」してはいないでしょうか。何もなかったように「気づかぬふり」をしていることはないでしょうか。

 

天空の蜂 (講談社文庫)
東野圭吾 著

講談社

 

映画『天空の蜂』本編映像

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映画「グラス☆ホッパー」

2015年03月02日 | 映画・芸能

先日、まち映画『サンゴーヨン☆サッカー』をみましたが、この作品『グラス☆ホッパー』は、2年前に完成した姉妹作のお姉さん格のもの。今回はDVDで鑑賞しました。見る順序が逆になってしまいましたが、こちらも面白く気持ちの良い出来上がりでした。

大泉町、太田市を舞台に、ラグビーを通して子供たちがたくましく成長していく過程を描いたピュアな物語。

「グラス☆ホッパー」の意味はgrasshopper=「バッタ」のことなのですね。草むらで元気に飛び跳ねるバッタ。「雑草軍団」の異名をもつワイルドナイツのラガーたちのようであり、未来に羽ばたく少年少女たちの姿のようでもありますね。

西小泉駅、太田駅周辺、ショッピングセンター「イオン」や身近な小学校、国際的な中高一貫校の授業風景の様子など新しい時代を息吹を感じさせる映画でした。

アイドル、ラガー、サッカー選手、いずれの道も極めることは険しいですが、とにかく自分を信じ、そして何よりも仲間を信じることの大切さを訴えています。残酷な少年犯罪の暗いニュースが続く中、仲間とは何かを考えさせてくれました。群馬県民にはぜひ一度見ていただきたい作品です。

【写真】主人公、小日向未生さんが太田駅南口を走る。

 

映画「グラス☆ホッパー」予告篇

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映画『サンゴーヨン☆サッカー』

2015年02月23日 | 映画・芸能

大泉町発多文化共生まち映画『サンゴーヨン☆サッカー』をみました。
「あの空は繋がっている、どこか知らない遠い国と」

サッカーイベントの「サンゴーヨン」は国道354号からの命名でしょうが、一瞬「サンヨー」と読めてしまいました。古き三洋オールドファンのサガでしょうか(笑)

大泉町を舞台に、ブラジルと日本をつなぐホームドラマ。地元がここまでたっぷり描かれた映画を見るのは住民としては嬉しいことです。

先着1500名への「354サッカー缶バッチ」もしっかりいただきました。
ポルトガル語の字幕スーパーがめずらしくて、つい目がそちらに向いてしまう。

sim(スィン)=英語のyes、はい。Japao(ジャパォン)=日本。頑張れはGanbareでした。
なんだかポルトガル語に興味を持ってしまった。

大泉町とブラジル、ラグビーとサッカー。共生、協働の街のようすが良く描かれていました。

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サンゴーヨン★サッカー予告篇(90秒)

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群馬県民は必見かな『花燃ゆ』

2015年01月09日 | 映画・芸能

今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」は初代群馬県令(群馬県知事)楫取素彦(かとりもとひこ)とその妻、文の物語だという。群馬県人としてはこれは見ないわけにはいかない。
予備知識として角川の文庫本『楫取素彦と吉田松陰の妹・文』を読んでみた。新春の初読書です。

まず最初に「楫取」の字が読めなかった。「かとり」は長州(山口県)萩の人の姓。楫取素彦は吉田松陰の義弟で、松陰が投獄された後事の松下村塾を託された人物であり、後に群馬県令(群馬県知事)にもなり群馬県とはゆかり深い偉人。

吉田松陰に比べ楫取素彦はその功績に比べ知名度が低いと言われている。著者、一坂太郎氏はそのことについて、「松陰は天才肌で思いついたら即行動、信念を貫くためなら法を犯すことも常識を打ち破ることも厭わない。感情の起伏も激しくそれゆえ30歳で逝ってしまった。一方、楫取はコツコツと努力をする秀才タイプであり、決して道を踏み外すような言動はなく、だから藩主も安心して身近に置いて仕事をさせたのだ」と評している。
楫取は長州藩主の側近として、坂本竜馬を桂小五郎に紹介して薩長同盟の端緒役にもなっている。

県庁は高崎か、前橋か

本書で面白かったのは「県庁は高崎か、前橋か」の節。明治9年、楫取は熊谷県に着任し熊谷県令となる。がすぐに熊谷県は廃止になり栃木県管下となっていた東毛三郡を戻して群馬県が生れた。楫取も熊谷県令から群馬県令に肩書が変わる。当初、県庁所在地は高崎にと中央政府は決めていた。しかし高崎城は陸軍の直轄で県庁舎は各地に分散、また高崎に県庁が来ると言うことで物価や地代がにわかに上がった・・。前橋では新築したばかりの約16万坪の前橋城が廃藩置県で無用の長物なっている。楫取“知事”は前橋の生糸商人の下村善太郎(後の初代前橋市長)ら有志に前橋城を県庁舎とすることの他にいくつかの条件を出した・・。
てっきり高崎に県庁が来るものと信じていた高崎住民たちの怒りはすさまじかった・・。

今年の大河はどんなストーリーが群馬との関わりで展開されるのか楽しみです。姉の死後、後妻に入り群馬でも久しく生活を送る文の役は、われらが明大OGの井上真央。ドラマは楫取素彦ではなく文が主役のようだ。

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楫取素彦と吉田松陰の妹・文 (新人物文庫)
一坂太郎著(萩博物館学芸員)
KADOKAWA/中経出版

        

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映画『遺言~原発さえなければ』

2014年12月30日 | 映画・芸能

昨年見た映画で印象にあるのは『少年H』。今年テレビでも放映されました。できれば原作本をお読みいただきたい。本の方は映画を見た後から読みましたが、内容が深い。純真な曇りのない少年の目で、戦時中の社会の様子、学校、大人たちの動き、新聞の報道を観察しつづける。実話だけに心に訴えるものが強かった。

今年見た映画では『標的の村』。ここポポロの広場でも紹介させていただきました。沖縄の基地問題と住民たちの運動の険しさが提起されていて良い作品でした。

今年はもうひとつ、原発被災地の人々に焦点を当てたドキュメンタリー『遺言~原発さえなければ』が公開された。こちらの方は、まだ見る機会がありません。ぜひ来年は、と思っています。YouTubeに紹介動画がありますのでご覧ください。

原発震災から3年9カ月。放射能を逃れて避難している人は約14万人。原発から放出した核種は沢山ありますが、そのひとつセシウム137でも半減期は30年。放射線量が、3年4年でそう簡単に減ることはありません。ちなみにチェルノブイリ原発で被害を浴びたベラルーシでは、0.53マイクロシーベルト/時で立入り禁止区域に指定=写真。日本より厳しい措置を今もとりつづけています。

農業を続けたいがそれが叶わない現実、「原発さえなければ」と壁に遺言を残して絶命した酪農家の人の叫び。3時間45分の長編映画、これを見ないわけにはいきません。

原発に「ふるさと」を奪われて~福島県飯舘村・酪農家の叫び

長谷川健一(飯館村酪農家) 著

宝島社

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映画『遺言 原発さえなければ』ダイジェスト編4分

  

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メイクのざわちんは太田の人

2014年11月14日 | 映画・芸能

「メイクアップのものまね」という新しい分野を拓いて注目をあびている「ざわちん」さん。
私は一昨日の新聞のインタビューを記事を読んで初めてざわちんの存在を知りました。家族の中で、ざわちんを知らなかったのは私だけ。ただ新聞記事を読み、さらにはYouTubeなどのネットからのにわか知識を得て少し詳しくなりました。

ざわちんの名前の由来は、本名の小澤の「澤」なのですね。なんといっても太田市で育ち「おおたPR大使」も務める上州女性であることが一段と身近に感じます。お母さんがフィリピンの人というのも国際都市太田大泉らしくてイイネ。大泉までぴっぱるのはちょっと強引かな(笑)

それにしてもメイク(メーキャップ)の力ってすごいですね。ある種、魔法をかけたみたいに変身するさまは芸術品のようでもあり見事です。AKB48の板野友美にそっくりのざわちんを市内のショッピングセンターで見かけたという人たちが「板野友美が太田に現れた!」と騒いだエピソードもむりない話です。よく似ていますから。

何事も一芸に秀でることで身が立ちますね。

群馬の、太田の、 ざわちんさん。ますますがんばれーーー!!

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ざわちん Make Magic
ざわちん
宝島社

 

ざわちん モノマネメイク15連発!浅田真央や羽生結弦までも!

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映画『標的の村』を観て

2014年09月08日 | 映画・芸能

『標的の村』をみました。労組主催の上映会で。
二つの用語を知りました。

【SLAPP裁判】
国策に反対する住民を国が訴える。力のある団体が声を上げた個人を訴える弾圧・恫喝目的の裁判をアメリカではSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)直訳すると公的参加者への戦略的訴訟。これはアメリカの多くの州で禁じられている。

【ベトナム村】
1960年代、ベトナム戦を想定して沖縄の演習場内に造られた村。農村に潜む伏兵を見つけ出す襲撃訓練。


この映画では、沖縄県東村高江地区の住民が、上記2つの用語の当事者となっている。
既存のヘリパッド(ヘリコプタ離着陸基地)が15カ所ある中で高江集落を囲むように6つのぺりパッドが計画される。ヘリパッド反対で当選した村長が容認に変節し、住民が立ち上がる。それに対して「道路交通法違反」で国が住民を訴える。その場に居なかった7歳の少女(反対派の子)までが被告席に。これがSLAPP裁判というものなのですね。

また高江地区は60年代のベトナム戦争の時は、住民が南ベトナム人の役をさせられていたという。いわゆる「ベトナム村」でもあった。

日本にある米軍基地の74%が沖縄に集中している現状。その中のたった一つの基地を動かそうとしただけでも、総理大臣の首が飛ぶ国・・。沖縄に独立論が起こっているのも無理ない事と思いました。

映画のさいごの字幕に「映像協力」として「アメリカ国防総省」とありました。アメリカの懐の深さでしょうか。日本政府・外務省が腹を決めて本気で交渉すれば、フィリピンの基地返還の例もあることですし山は動くようにも思うのですが・・。抗議の最中、車から沖縄民謡『安里屋ユンタ』を泣き叫ぶように歌う女性のせつない声が耳に残ります。いろいろと考えさせられるドキュメンタリー映画でした。

  にほんブログ村 日本経済

   

沖縄・高江 やんばるで生きる
三上 智恵(著)「標的の村」監督
高文研

 

『標的の村』劇場予告編

  

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