2016年3月30日 朝刊から抜粋します。
●対米追随さらに(元内閣官房副長官補 柳沢協二)
安倍晋三首相は安全保障関連法が施行された二十九日の国会で、北朝鮮の事実上の弾道ミサイル発射への対応を例に「日本を守るために互いに助け合える日米同盟に変わる」とと強調し、「安保法を廃止すれば、同盟の絆は大きく毀損される」と述べた。
戸の発言は、安保法の大きな問題点を言い表している。一つは「日本を守るため」という前提なら、個別的自衛権と日米安全保障条約に基づき対応するため、安保法は関係ない。
冷静に考えてほしい。北朝鮮が核・ミサイル開発で威嚇し、交渉を望んでいる相手は米韓で、万が一暴発した場合、狙われるのは両国だ。それに荷担すれば、日本も狙われる。安保法で日本が守られるというより、むしろ「米国の戦争に組み込まれていく」意味の方が大きい。
(「安保法を廃止すれば、同盟を毀損」という)論理では、安保法でできる活動を米国に要請され、政策判断で断れば、もっと「同盟を毀損」するだろう。首相の説明は「対米追随」という安保法の本質を物語っている。
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