山陽~九州直通新幹線の列車名募集(JR九州サイト)
2011年春に九州新幹線が全線開通するとともに始まる新大阪~鹿児島中央間の直通運転。その列車愛称の応募は11月末で終了したが、私も一応鉄道ファンの端くれ、5種類の愛称を応募しておいた。以下、そのそれぞれについて応募理由を述べておく。
1.<はやぶさ>
速さをイメージさせる名称で新幹線にふさわしい。現在、同名の寝台特急列車が東京~熊本間にあるが、2009年春の廃止が噂されているので、支障もなくなる。
2.<つばめ>
これも速さをイメージさせる名称で新幹線にふさわしい。現在、九州新幹線に同名の列車があるが、九州新幹線開通後は<つばめ>を直通列車に充てる。九州新幹線内のみ走る列車の愛称が、地元密着のものに変更されることを前提としている。
3.<はと>
速さをイメージさせる愛称としては、上の2つにかなり劣るが、かつて同名の特急が山陽本線を走ったことがあり、山陽新幹線を走る列車にふさわしいのではないかと思う。現在使われておらず、愛称変更による地元の混乱を最小限に抑えるには最も良いだろう。ただ、<つばめ>を現状のままとした場合、<はと>が<つばめ>の上位に来ることになる。どう考えても実物のイメージとは逆の結果になりそうだ。
また、「はと」=平和の象徴でもある。被爆地・広島を経由する列車に<はと>の愛称も悪くないと思う。「はと」に乗って「負の世界遺産」・原爆ドームを巡るというのもいいかもしれない。
4.<さつま>
語源は「薩摩」である。鹿児島を走る新幹線にふさわしいと思い、この愛称を考えた。ただ、不安要素もある。九州の人は全国有数の愛郷精神の持ち主が多く、「薩摩」の名称は地域対立の引き金を引きそうにも思えるからだ。「なぜ<薩摩>であって<肥後>ではないのか」とか、「それなら<筑後>にせよ」などの声が出て、収拾がつかなくなりそうな気もする。
5.<富士>
語源は富士山ではなく、開聞岳の別名「薩摩富士」である。現在、東京~大分間の寝台特急に使われている愛称(こちらは富士山が語源)だが、2009年春に廃止の噂があり、使用に支障はないと判断しての応募である。だが、4と同様、地域対立の引き金にならないか心配ではある。
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ところで、列車愛称の付け方は、国鉄時代には明文化はされていないが一定のルールがあった。特急列車は原則として速さ・スピードを印象づける愛称をつけるものとされ(<ひかり><こだま><やまびこ><はやて>などが典型)、一方、運転距離が比較的短い急行列車は地域に密着した愛称をつけるものとされていた(<アルプス><砂丘><あそ><利尻>などが典型)。
現在でも、急行から格上げされた比較的運転距離の短い特急には、急行時代の名残で地域密着の愛称を持つものが多い(<しなの><水上>などが典型)。
特に新幹線の場合、
<長距離> はやて × <短距離> なすの(沿線の地名「那須野」から)
<長距離> と き × <短距離> たにがわ(沿線の谷川連峰から)
のように、「長距離列車=速さをイメージ」「短距離列車=地元密着」という関係がかなりはっきりと見られる。
もっとも、<とき>は上越新幹線開業当初は走行距離の短い各駅停車タイプの列車につけられており、長距離列車は<あさひ>だった。ところが、北陸新幹線が開業後、似たような名称である<あさひ>と<あさま>が東京~高崎間で同一の線路上を走ることから、乗り慣れない利用客の誤乗が続出するなどの問題が発生した。もともと上越新幹線開業当時、国鉄に設けられた愛称選定委員会で<あさひ>の評判がそれほど良くなかったこともあり、誤乗防止のため<あさひ>が廃止となった。長距離列車には<とき>が充てられ、短距離列車には<たにがわ>が採用されるという経緯をたどっている。<とき>は短距離列車の愛称から長距離列車のそれへと「昇格」したわけだ。
結果的に、この<とき>の昇格によって、上越新幹線でも長距離列車=速度、短距離列車=地域密着という伝統的な考え方に沿った愛称に落ち着いたわけである。
北陸新幹線の場合は、最長距離を走る列車が<あさま>という地域密着型の愛称になっているが、これは現在の北陸新幹線が暫定開業であるという事情が大きいと思う。将来、延長開業したときに<あさま>の上位に来る愛称を、速さをイメージさせるものの中から新たに考えるつもりなのだろう。
唯一の例外が<のぞみ>で、速さをイメージさせない愛称の列車が最上位に来ている。これは、新幹線では相当イレギュラーなほうだと思う。
私が、今回の愛称募集に当たって、<はやぶさ><つばめ><はと>という、速さをイメージさせる名称を最初に持ってきたのは、この直通列車が九州島内では紛れもなく最長距離列車となるからである。<さつま><富士>は、応募しておいていうのもなんだが、九州島内のみの列車の愛称としてはあり得ても、山陽~九州直通列車の愛称としてはあり得ないと思っている。
また、山陽新幹線区間では、<のぞみ><ひかり><こだま>に今回公募で決定される新たな愛称の列車が加われば、4種類の愛称の列車が走ることになる。<のぞみ><ひかり><こだま>と肩を並べる上で、<富士>はともかく<さつま>はあまりに格が違いすぎるのではないかという懸念も抱いてしまうのだ。
さてさて、この列車愛称、採用となったら賞金は20万円という。でも、同じことを考える応募者は多数いると思われる。くじ運の悪い私がその中から当選ということは、あり得ないだろうなぁ。
2011年春に九州新幹線が全線開通するとともに始まる新大阪~鹿児島中央間の直通運転。その列車愛称の応募は11月末で終了したが、私も一応鉄道ファンの端くれ、5種類の愛称を応募しておいた。以下、そのそれぞれについて応募理由を述べておく。
1.<はやぶさ>
速さをイメージさせる名称で新幹線にふさわしい。現在、同名の寝台特急列車が東京~熊本間にあるが、2009年春の廃止が噂されているので、支障もなくなる。
2.<つばめ>
これも速さをイメージさせる名称で新幹線にふさわしい。現在、九州新幹線に同名の列車があるが、九州新幹線開通後は<つばめ>を直通列車に充てる。九州新幹線内のみ走る列車の愛称が、地元密着のものに変更されることを前提としている。
3.<はと>
速さをイメージさせる愛称としては、上の2つにかなり劣るが、かつて同名の特急が山陽本線を走ったことがあり、山陽新幹線を走る列車にふさわしいのではないかと思う。現在使われておらず、愛称変更による地元の混乱を最小限に抑えるには最も良いだろう。ただ、<つばめ>を現状のままとした場合、<はと>が<つばめ>の上位に来ることになる。どう考えても実物のイメージとは逆の結果になりそうだ。
また、「はと」=平和の象徴でもある。被爆地・広島を経由する列車に<はと>の愛称も悪くないと思う。「はと」に乗って「負の世界遺産」・原爆ドームを巡るというのもいいかもしれない。
4.<さつま>
語源は「薩摩」である。鹿児島を走る新幹線にふさわしいと思い、この愛称を考えた。ただ、不安要素もある。九州の人は全国有数の愛郷精神の持ち主が多く、「薩摩」の名称は地域対立の引き金を引きそうにも思えるからだ。「なぜ<薩摩>であって<肥後>ではないのか」とか、「それなら<筑後>にせよ」などの声が出て、収拾がつかなくなりそうな気もする。
5.<富士>
語源は富士山ではなく、開聞岳の別名「薩摩富士」である。現在、東京~大分間の寝台特急に使われている愛称(こちらは富士山が語源)だが、2009年春に廃止の噂があり、使用に支障はないと判断しての応募である。だが、4と同様、地域対立の引き金にならないか心配ではある。
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ところで、列車愛称の付け方は、国鉄時代には明文化はされていないが一定のルールがあった。特急列車は原則として速さ・スピードを印象づける愛称をつけるものとされ(<ひかり><こだま><やまびこ><はやて>などが典型)、一方、運転距離が比較的短い急行列車は地域に密着した愛称をつけるものとされていた(<アルプス><砂丘><あそ><利尻>などが典型)。
現在でも、急行から格上げされた比較的運転距離の短い特急には、急行時代の名残で地域密着の愛称を持つものが多い(<しなの><水上>などが典型)。
特に新幹線の場合、
<長距離> はやて × <短距離> なすの(沿線の地名「那須野」から)
<長距離> と き × <短距離> たにがわ(沿線の谷川連峰から)
のように、「長距離列車=速さをイメージ」「短距離列車=地元密着」という関係がかなりはっきりと見られる。
もっとも、<とき>は上越新幹線開業当初は走行距離の短い各駅停車タイプの列車につけられており、長距離列車は<あさひ>だった。ところが、北陸新幹線が開業後、似たような名称である<あさひ>と<あさま>が東京~高崎間で同一の線路上を走ることから、乗り慣れない利用客の誤乗が続出するなどの問題が発生した。もともと上越新幹線開業当時、国鉄に設けられた愛称選定委員会で<あさひ>の評判がそれほど良くなかったこともあり、誤乗防止のため<あさひ>が廃止となった。長距離列車には<とき>が充てられ、短距離列車には<たにがわ>が採用されるという経緯をたどっている。<とき>は短距離列車の愛称から長距離列車のそれへと「昇格」したわけだ。
結果的に、この<とき>の昇格によって、上越新幹線でも長距離列車=速度、短距離列車=地域密着という伝統的な考え方に沿った愛称に落ち着いたわけである。
北陸新幹線の場合は、最長距離を走る列車が<あさま>という地域密着型の愛称になっているが、これは現在の北陸新幹線が暫定開業であるという事情が大きいと思う。将来、延長開業したときに<あさま>の上位に来る愛称を、速さをイメージさせるものの中から新たに考えるつもりなのだろう。
唯一の例外が<のぞみ>で、速さをイメージさせない愛称の列車が最上位に来ている。これは、新幹線では相当イレギュラーなほうだと思う。
私が、今回の愛称募集に当たって、<はやぶさ><つばめ><はと>という、速さをイメージさせる名称を最初に持ってきたのは、この直通列車が九州島内では紛れもなく最長距離列車となるからである。<さつま><富士>は、応募しておいていうのもなんだが、九州島内のみの列車の愛称としてはあり得ても、山陽~九州直通列車の愛称としてはあり得ないと思っている。
また、山陽新幹線区間では、<のぞみ><ひかり><こだま>に今回公募で決定される新たな愛称の列車が加われば、4種類の愛称の列車が走ることになる。<のぞみ><ひかり><こだま>と肩を並べる上で、<富士>はともかく<さつま>はあまりに格が違いすぎるのではないかという懸念も抱いてしまうのだ。
さてさて、この列車愛称、採用となったら賞金は20万円という。でも、同じことを考える応募者は多数いると思われる。くじ運の悪い私がその中から当選ということは、あり得ないだろうなぁ。