集団自決の深い傷はオスプレイ反対では治らない3




「かみつく」の内容紹介
「沖縄に内なる民主主義はあるか」の内容紹介

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狼魔人日記の
江崎さん登場
今日の1フィート運動解散式の
新聞に掲載されない衝撃的な事実を公開。
八重山教科書問題も徹底して話しています。
 
    

  



虚しい妄想の闘い


島民を「集団自決」に追い詰めたものは帝国主義・富国強兵の日本国家・政府であり、地元では政治家、公務員、マスコミそして教員であった。
日本軍は日本国家の意思で動いている。日本軍は武士道を重んじ、敵の捕虜になるよりは玉砕と自決を選ぶ。だから、日本軍が沖縄の人々に集団自決を強制したという推理はできるが、日本軍にはそんな余裕はなかったというのが事実のようである。硫黄島の玉砕から、日本軍は敗戦し続けた。圧倒的な軍事力を誇るアメリカ軍は硫黄島、グアム、サイパン、フィリピンと次々と日本軍を玉砕させていった。敗戦に敗戦を続けた日本軍は沖縄を死守するために1944年に第32軍を編成した。
アメリカ軍の総兵力は 54万8千人。対する日本軍沖縄守備隊は、牛島中将率いる陸軍32軍と大田少将率いる海軍根拠地隊の合計10万人であった。
10万人近くの島民が死んだ悲惨な沖縄戦だったが、10万人のほとんどの日本兵が死んだことも私たちは忘れてはならない。日本兵の多くは地方の農民出身であっただろう。彼らは沖縄を死守して日本本土への上陸を食い止めるために死を覚悟した戦いをした。
彼らも人間なのである。農民であり労働者なのである。結婚し、妻と子供の小さな幸せを希望する若者や、結婚してささやかな幸せを送っていた普通の日本人なのである。彼らもまた帝国主義・富国強兵の日本国家の植民地拡大に巻き込まれた人間たちなのである。

可愛いスーちゃん
作詞・作曲者:不詳

1 お国の為とは言いながら
  人の嫌がる軍隊に
  召されて行く身の哀れさよ
  可愛いスーちゃんと泣き別れ

2 朝は早よから起こされて
  雑巾がけやら掃き掃除
  嫌な上等兵にゃいじめられ
  泣く泣く送る日の長さ

3 乾パンかじる暇もなく
  消灯ラッパは鳴りひぴく
  五尺の寝台わら布団
  ここが我らの夢の床

4 夜の夜中に起こされて
  立たなきゃならない不寝番
  もしも居眠りしたならば
  ゆかなきゃならない重営倉

5 海山遠く離れては
  面会人とてさらに無く
  着いた手紙の嬉しさよ
  可愛いスーチャンの筆の跡

この歌は禁止された歌である。戦前は軍隊や国を批判する歌はすべて禁止された。さとうはちろうの「もずが枯れ木で」も禁止されていた。驚いたことに「戦友」も禁止されていた。戦後大ヒットした「りんごの歌」も明るすぎるということで戦前は禁じられていたという。
沖縄戦で死んだ兵士の中には可愛いスーちゃんを口ずさみ、故郷の彼女を思い出して涙を流していた者もいただろう。

私が若い頃の戦争映画では、特攻隊が「天皇陛下バンザイ」と叫びなら玉砕する映画があった。私は、本当に彼らが「天皇陛下バンザイ」と叫んだのか疑問だった。「可愛いスーちゃん」が好きで歌っていたし、「天皇陛下バンザイ」の映画がある一方、勝新太郎と田村高廣私の名コンビによる軍隊内部のいじめと闘う「兵隊やくざ」という映画もあった。赤紙一枚で軍隊に入れられるのを悲劇として描いた映画もあった。
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昭和18年の満州、関東軍駐屯地。インテリで、軍隊という組織を嫌い抜いている有田上等兵(田村高廣)のもとに、問題児の大宮二等兵(勝新太郎)が配属されてくる。やくざ出身の浪曲師で、けんかっぱやい大宮は、何故か有田とうまがあった。大宮はおのれの拳で、軍隊内の不条理なしごき、いじめに対抗していく。『座頭市』『悪名』に並ぶ勝新太郎の代表シリーズ第一作。原作は有馬頼義『貴三郎一代』。
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私は映画の影響もあって、一等兵や二等兵は徹底した皇民化教育を受けていない庶民たちであるというイメージが強い。彼らは天皇のためには死ねないが、親兄弟、故郷を守るためには死ねただろうと私は思った。
私の考えと同じことを本に書いていたのが吉本隆明だった。吉本氏は特攻隊になった人たちの手紙を調べていると、天皇のためではなく、母や父、兄弟、そして故郷の人たちを守るために死んでいくのだと書いてあったと本に書いていた。

沖縄戦で玉砕していった多くの兵士は、母や父、兄弟、そして故郷の人たちを守るために戦い死んでいったのだ。兵士はロボットではない。地の通う人間である。誰もが死ぬのは怖いし、死にたくなかったはずである。兵士だから平気で死ねると考えるのは間違いだ。
彼らは兵士である前に赤い血の通う人間なのだ。
沖縄戦で戦った兵士たちは平気で死んでいったわけではない。死にたくないのに戦争という大きな渦に巻き込まれて、親兄弟の住む国を守るために玉砕していったのだ。

玉砕していった兵士たちに「日本軍は島民を守らなかった」というのはひどい侮辱だと思う。米軍55万人。日本軍10万人である。それに兵器もアメリカ軍は豊富であり、徹底した艦砲射撃をやった。兵士の数でも軍事力でも勝る米軍の攻撃に日本軍は壊滅していったのだ。どうして日本軍が島民を守ることができただろうか。日本軍がどんなに島民を守りたくても物理的に不可能だった。それに島民の犠牲はほとんどが艦砲射撃である。艦砲射撃を止めるのを日本軍にできたはずがない。

普天間飛行場でオスプレイ配備阻止、米軍基地撤去の運動をしている宮里さんは島民を「集団自決」に追いつめたのは日本軍であると信じ、日本軍を憎んでいる。日本軍の兵士は地方の農民たちであり、沖縄の農民が赤札もらって南方の戦場に送られたように、赤紙で沖縄に送られてきた人間たちである。しかし宮里さんは、彼らが沖縄の農民と同じ普通の人間であることを絶対にイメージしない。日本軍の兵士は生まれた時から兵士で冷酷無比な心の持ち主であると決めつけている。
日本軍の兵士は冷酷無比で沖縄の人たちを人間と思っていなかったと決めつけなければ、皇民化教育をし、兄弟の首を切って殺そうとした母を庇うことはできない。集団自決を日本軍の性にすることもできない。

二人の米兵が沖縄で婦女暴行をしたように、一部の兵士は沖縄の人々を壕から追い出したり、食糧を取り上げたりして残虐な行為をやった。婦女暴行をした二人の米兵は他の米兵とは違うように、沖縄の人々に乱暴狼藉を働いたのは一部の兵士であり、日本軍がやったことではなかった。一部の日本兵の犯罪行為を日本軍の本質のように考えるのは間違っている。多くの日本兵は普通の人間であり、島民とも交流し親しい関係であった。一部の日本兵の犯罪行為を日本軍の本質のように考えるのは間違っている。

しかし、宮里さんは日本軍は沖縄の人々を虐げる存在だと思い込んでいる。日本軍は残虐で沖縄の人々に自決を強いたと考えている。
今の軍隊もすべて日本軍と同じ体質であると宮里さんは信じている。アメリカ軍の本性も戦前の日本軍と同じだと宮里さんは信じている。

宮里さんは帝国主義・富国強兵国家によってつくられた軍隊と民主主義国家によってつくられた軍隊を区別することができない。徹底したシビリアンコントロールされているアメリカ軍と軍部が政治の実権を握っていた軍国主義国家日本の軍隊の区別がつかない。
アメリカ軍も旧日本軍と同じに見える。
日本軍はアジアの国々を植民地にするために侵攻していった。
アメリカ軍はアジアで侵略戦争がないように抑止を目的にしている。

宮里さんの頭の中にある軍隊はもうこの世には存在しない。
民主主義国家アメリカの軍隊は侵略のためには存在しない。
侵略させないためにある。
民主主義国家を守り、民主主義国家をつくるためにある。
アメリカ軍はイラク独裁国家とアフガン独裁国家を民主主義国家にした。

普天間飛行場は沖縄・日本・アジアの民主主義を守るために存在している。
宮里さんの普天間基地への怒りは、頭の中の旧日本軍への怒りだ。
民主主義に取り残された妄想老人の怒りだ。

はるか昔の世界に立ったまま、
今を見つめている宮里さん。
事実を正しく見ることができない宮里さん。

「過去から逃げるのではなく、受け止めて向かい合おう」と夫は励ましてくれるという。過去から逃げることができない宮里さんは過去から抜け出すこともできない。過去を受け止めることもできない。
過去に佇立したまま現実を見つめている。
夫の励ましは宮里さんの病をますます重くする。

「悪いのは母じゃない。わが子の命を奪うよう仕向けた国家に憤りを感じる」ような宮里さんである限り、宮里さんの病は癒えず。「憤り」は永遠につづく。

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