コナサン、ミンバンワ!
先月のCafe特集日記に因む夏の写真帖新作の撮影の為もあって、我が父祖恩義の天竜川の水源と河口を訪ねた話は既に申し上げた通り。俗化された水源とは違い、浜松市の郊外とは言え河口の方にはまだ自然が多く残り、素朴な風情が残されていてやや救われた思いであった。
日記や写真帖にても記したが、天竜河口の入り江の幅は約1000m、地元の主要河川木曽川と大差ないはずだが、それにしても意外な程小ぢんまりとした佇まいであり、驚きと共に安堵も感じたものだ。まあ水のリゾートとしては地元の方々に活用されている様で、釣りや水上バイク、それに河原でのバーベキュー、はた又普通の散策・・・などなど。
思い思いと言う表現がピッタリ来そうだが、そんな中にもしっかりした秩序の様なものは感じられた。今回俺が訪れた河口は左岸の静岡県磐田市の側だが、この河岸は釣りの方々、対岸の浜松市南区の方には水上バイクやバーベキューなどの水遊びの各位が集っていた。つまり水のレジャーでも住み分けがしっかりとできており、場所を巡る争いも一切見かけなかったのである。釣りの漁場の都合もあるのだろうが、それにしても清清しい光景であり、大きな物語の終章の様な我国の代表河川の一、天竜川の河口に相応しい様だった。この場所で俺は、盆を終えて再び天に還った祖父母の霊を、一礼と共に見送ったのである。