生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

ヨナ書を読んで(その1)

2009-02-05 14:00:05 | 聖書から

祈祷会でヨナ書を学んでいます。ヨナ書は旧約聖書の小預言書のひとつで4章までしかない短い箇所です。

粗筋を紹介します。
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 ある日、ヨナは神様から「ニネベの都に行って呼びかけなさい」という神の声を聞きます。ニネベは、イスラエルの侵略者であるアッシリア帝国の都です。どうして自分がそんな敵国まで行かなければならないのかと思い、ヨナはニネベとは逆方向のタルシュシュ行きの船に乗ります。

 しかし、海は荒れ、船は難破しそうになりました。人々が恐怖のあまり神に祈りましたが、ヨナは船底で寝込んでいました。
 船に乗っていた人々は、この嵐の原因が誰か、くじをひいて調べることにしました。くじは、ヨナに当たりました。

 ヨナは、神から逃げてきたことを白状し、自分を海に放り込めば嵐は静まる、と人々に語ります。人々がヨナを海に放り込むとたちまち海は静まりました。
 海に放り込まれたヨナは、大きな魚に飲み込まれ、三日三晩、魚の腹の中で過ごします。そのとき、ヨナは神様に悔い改めの祈りをします。

陸地にはき出されたヨナに再び「ニネベへ行け」と神様の語りかけがありました。ヨナは今度は従順にニネベに向かい「あと40日すれば、ニネベの都は滅びる」と言って回ります。

 それを聞いたニネベの人々は、ヨナの言葉を信じて悔い改めます。ニネベの王までもが、衣装を脱ぎ捨てて、荒布で身をまとったのです。荒布で身をまとうということは、これ以上ない悔い改めのしるしです。
 この様子を見た神は、ニネベの町を罰することをやめたのでした。

 ところがヨナはそのことに腹を立てて神に向かって抗議しますが、相手にされません。ふてくされたヨナは、ニネベの都を見下ろす場所に小屋を作って居座ります。

 厳しい日照りの中で座り込みを続けるヨナを、神は憐れに思い、トウゴマの木を生やして涼しい木陰を作ってやります。トウゴマはひまし油の原料となる植物で、楓のような形をした大きな葉っぱがつき、大きく成長します。日陰を作るには絶好の植物です。喜んだヨナでしたが、とうごまの木は一夜にして枯れてしまいます。

 神に向かって怒りをぶつけるヨナに、神はこう言ったのでした。

「あなたは、自分で骨折らず、育てもせず、一夜で生え、一夜で滅びたこのとうごまを惜しんでいる。ましてわたしは、この大きな町ニネベを惜しまないでいられようか。そこには右も左もわきまえない12万以上の人間と数多くの家畜がいるではないか。」(ヨナ書4:10.11)
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魚の腹の中で悔い改めたヨナを神様は助けます。ヨナは、今度は主の言葉通りニネベの町へ行くと3日間も歩きまわって熱心に叫びました。このときのヨナの気持ちはどのようだったでしょうか?


という質問があり、3.4人のグループに分かれて話し合いました。
ヨナは魚の腹の中で悔い改めているから、せいいっぱい神様の命令に従うという純粋な気持ちで叫んで歩いたという意見がありました。

わたしは、ヨナは複雑な気持ちだったのでは?と思います。もちろん、使命感と救われた喜びに満ちてはいたでしょう。けれども、ニネベの人々が自分の声を聞いてすぐに悔い改めるとは思っていなかったのではないでしょうか。
一方、神様はニネベの人々が悔い改めることを願っておられました。イスラエルの敵国の人たちではありますが、神様はその人たちも深く愛しておられました。
でも、そんな神様のみ心をヨナは知らずにただ40日後に滅びることを告げるという使命を果たすことに熱心だったのでは?と考えました。

敵を憎み、敵国の人々が滅びることを望むのは、人間の心理としては当然です。ヨナのことを非難することはできません。
でも、ヨナは知らなくともわたしたちが知っているお方、イエス・キリストのことを思うと、敵をも愛する愛を知らされるのです。
ニネベの人々をも愛する神様は、わたしに敵対する人々をも愛するように望んでおられるのですね。

                     つづく

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