生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

弱さもタラント(その2)

2007-09-11 13:18:52 | 教会

H.S先生は、子供のころ貧しかったため、学校で野蛮人と言われ、ずうっと見返すこと考えていたそうです。思春期のころ暴走族に入り、アイドル歌手柏原芳恵の親衛隊長をしていたと聞いて驚きました。

その後、教会に導かれ、牧師先生にあたたかく迎えられたとき、すごく嬉しかったそうです。暴走族に入っていても、心の中に寂しさがあり、愛に飢えていたのだと思います。

やがて主を信じ、洗礼を受け、神学校に入りました。神学生のとき、キリスト教の新聞社にあかしを書いて送ったら、もっと書いて下さいと原稿依頼があったそうです。
そのとき、とても書けないと思ったのですが、聖書のタラントのたとえのところを読んでタラントを用いるべきだと考え、書き始め、一年間新聞に連載されたそうです。

H.S先生は次のように語りました。


捨てたいと思っていた過去ですが、同じような境遇の人に、ひとりひとりが神の子なのだと伝え、社会から見捨てられた人の牧者として仕えていきたいです。

タラントには弱さも含まれています。自分は弱いけれど、神さまが弱さを用いて下さいます。弱さを人のため、家族のため、教会のために捧げるとき、素晴らしいものになるのです。わたしたちは弱さを存分に発揮し、活用するとき豊かな恵みを味わうのです。

弱さと向き合うのはつらいことですが、第3のタラント、主イエスが与えられていることを覚えましょう。イエスさまは弱さを祝福して下さいます。イエスさまは良くやった。良い忠実なしもべだ。と言ってくださいます。
弱さや欠点があっても、逃げないでこれを隣人のために用いて下さい。



わたしは自分の中学時代のことを思い返すと、それは捨ててしまいたいような過去です。H.S先生のようではなく、見た目には、ごく普通の目立たない生徒でした。でも、心の中は恨みと憎しみに満ち、空しさで死を願う日々でした。

そのときの気持ちをあえて思い出すことによって、空しさや自殺願望を抱いている人たちにキリストを伝えるため小説を書くという使命がはっきりしてきます。
でも、わたしはとても弱く、自分の力では書き続けることができません。

このメッセージを聞いて、弱さもタラントだと知ったとき、喜びにあふれました。
わたしには、この弱さしかないのですから。

そして、弱さを祝福してくださるイエスさまがタラントとして与えられていることを教えていただき、心から主に感謝しました。


今週は自殺予防週間です。神さまが造って下さった尊い命。どのような理由があったとしても、その命を自ら絶つことがありませんように。


                     おわり


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