Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

横浜スポカル横浜(15節YSCC戦)

2016-07-03 23:33:37 | マッチレポート16'



完全なる敗北、いわゆる完敗というやつですな。


負けたけど、この選手は孤軍奮闘で頑張ってたという選手がいなかったということは、事前準備の段階に問題があるように思い始めてきた。今季初めて蒸し暑いコンディションでの試合となった第4節の沖縄でのゲーム。「蒸し暑いことは分かっていたけれども、それでも前半は体が重かった」という選手コメントがあった。確かに後半開始から15分で千明が退場したにも関わらず、後半の大分はよく走ってた。そのことを根拠に、今日はダメダメだった前半を見せられても、後半からスイッチが入ると信じて疑わなかった。しかし、むしろ後半の方が悪かったことを考えるとチーム全体のコンディションの作り方に失敗しているように思えてならない。それともう一つは採用した戦術について。公式HPに掲載されている監督コメントはペラペラなので、そこから推測することは不可能に近いけど、今日は明らかにいつもよりも繋ぐ意識が強かった。上福元がゴールキックを大きく蹴ったのは試合終盤をメインに数本だけだったと思う。ピッチの状態があまり良くなかったことや、そのまま相手のゴールに直結してもおかしくなかった凡ミスが少なくとも3つはあって選手の技量が追いついていないことを考えると、極端過ぎるその戦術の遂行には問題があったように思えてしまう。暑さからの消耗を避けたい意図なのか、それとも伊佐がいなかったからなのかは分からないけど、相手の力を見誤っている部分も含めてスカウティングに問題があったと思う。サッカーは偶然性の高いスポーツであるが故に、負けの理由も複合的に絡み合っていて、簡単に言い切ることは難しいと思う。それでもこれだけホームとアウェイの成績に差があるというのは、試合に臨むまでの過程に問題があるように思えてならない、そんなほとんど収穫のない今季最悪のゲームだった。



初対戦クラブシリーズの最終戦となったYSCC戦。YSCCとのファーストコンタクトは2010年の地域決勝。1次ラウンドの最終日だったこの日、信じられないような展開で1次ラウンドを突破したものの、確かこの年は長野と讃岐が圧倒的でJFL昇格は果たせず、翌年昇格したはず。しかしこのブログを読み返してみると、1次ラウンドの組み合わせが相模原、YSCC、山口、HOYO(現ヴェルスパ)とかいま考えるとメンツがすごい。設立が今年で30年と歴史のあるクラブで、親企業があるわけでもなく、行政主導でもない、いわゆる「街クラブ」に挑戦には単純に興味がある。各所で「YSCC横浜」と表記されるけど、「Y」は当然ながら「横浜」の頭文字なわけで、一つの名詞で別の名詞をはさむそのスタイルは「BKB(バイク川崎バイク)」と同じカテゴリーである。「横浜スポカル横浜」みたいな。


シーズンが始まってもしばらくJスポーツでプレミアリーグの解説をやっていた樋口監督。シーズン中に副業の認められている非常に稀有な監督。今日は「アーセナルのように攻めて、リパプールのように守る」ほどではなかったにせよ、今季樋口監督のイチオシだったボーンマスのようによく走るいいサッカーだったと思う。GKのキックの質がJリーグではちょっとお目にかかれないくらいに低かったりとか、パスが大きくズレたり(この部分はうちの選手たちもどっこいどっこいだったけど)とか、選手個々の技量では確かにうちの選手の方が上だったのかもしれないけど、素早くボールホルダーに寄せて厳しく食らいつくといった部分に関しては、うちの選手はYSCCの選手の足元にも及ばなかった。試合の最終盤でパワープレーすらまともに出来なかったのは、YSCCの選手の頑張りを象徴してたと思う。


そんなYSCCの中で特に気になる選手が一人いた。左SBの7番・山本真也選手。1対1の守備がめちゃめちゃうまい。間合いの取り方、体の入れ方、対面の選手のドリブルがちょっと長いと見るや否やスッとボールを奪い切ってしまう集中力の高さ。今日は何度も唸らされた。ハッキリ言ってしまうが、対面の清本は何もさせてもらえなかった。最初は今日の清本には勇気が足りないと思ってたけど、後半に目の前でそのマッチアップを見てからは、「あ、これは相手が上だ」と認めざるを得なかった。気になったので、帰宅してから名鑑でチェックしてみたら何とまたもや関東学院大のOB(大卒3年目)。盛岡戦の記事で関東学院卒の選手について書いたら、他にもまだこんなにもいい選手がいたとは。そしてさらに驚かされたのが、今年の2月に発売されたエルゴラの名鑑の「好きな女性タレント」という質問に、何と「平愛梨」と書いている持ってるっぷり。エネルギッシュなプレースタイルの左SBで平愛梨が好きとかどこのアモーレだよ。負けたことをただの勝ち点なしで終わらせるのではなく、こういう選手をチェックしておく強かさのあるクラブであってほしいと願う。






前半に電光掲示板に正式に表記まで出して取られたドリンクウォータータイム。確かJリーグの試合ではドリンクウォータータイムのガイドラインはなかったと思ってたけど、こうやってちゃんと表記されてるところを見ると、事前に協議してたんだろうね。まあ、それくらいに今日は蒸し暑かったよ。





新ルール適用による1人キックオフは昌也が務めてた。



序盤の不振から完全に脱却し、連勝街道に乗った栃木と1ゲーム以上の差をつけられた。我慢してついていきたいこの局面でホーム連戦なのはラッキー。ただ、秋田、福島、長野、富山、鳥取と大分からアクセスの悪い遠方アウェイゲームをまだたくさん残してるので、アウェイでのチーム全体でのゲームへの臨み方には改善が絶対に必要。選手だけじゃなくチーム全体で。





※しかしよく考えたら、「大分トリニータ」も紐解けば「大分トリニティ大分」だった。
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