Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

普通に互角(23節ガンバ戦)

2020-10-18 17:43:15 | マッチレポート20'
一言で総括すると「達也が1つでいいから決めておけば」ということになるんだろうけど、まあ達也はこれまでいくつも決めきってきてるから、今日はしゃあなし。こんな日もある。


伊佐が素晴らしかった。とにかく素晴らしかった。ちょっとしたコンディション不良もあったんだろうけど、1ヶ月ぶりの先発。1stディフェンダーとしてボールホルダーへ本気でプレッシャーをかける、シンプルにボールをはたいてチームを前進させる、スペースへ走り出してボールを呼び込む、本気のプレスバックで相手に簡単にパスを出させない、決定機を外して落ち込む達也を鼓舞する、負けてるチームに1秒でも長くプレーさせるためにボールボーイの役目を買って出る等々良いところだらけ。ただ今日最も良かったのは押し込まれてる時にアバウトに前に蹴り出されたボールをガッチリ相手DFを背負いながらマイボールにし、ファールまでもらい相手のターンを切ってくれたことが何度もあったこと。いわゆるガンバの時間帯というものがなく守る時間も単発で終えられたことがこの好内容のゲームに繋がったと思うので、地味ながらもこういう働きはもっともっと評価していくべき。調べたわけじゃないけど、前線の選手の最初の交代が82分というのは多分今季最も遅い時間帯だと思う。伊佐に加えて、さんぺーも達也も良かっただけにガス欠寸前まで片野坂さんとしては引っ張りたかった、それくらいの期待感が今日の前線にはあったということだと思う。シュート数はこのチームのバロメーターにあらず。個人的には今季のFWの序列付けはこの試合で済んだ。今季初めて2週間も空くので他の選手の巻き返しはどんどんあってほしいけど、これほどの高水準でチームを助けられるFWはそうそういないと思う。ゴールを決めたわけでもないのに、感動もののプレーぶりというのは逆にすごいと思うよ。


今季のガンバも基本的には高い位置からプレッシャーをかけてくるチームなので、鹿島戦の再現を狙って達也のシャドー起用だったと思うんだけど、今日はちょっと星と達也の呼吸が絶望的に合ってなかったので、どう評価していいのか悩む。あと3連戦全てフル出場の三竿を終盤の勝負どころでCBからより運動量を求められるWBに上げる交代策はさすがに失敗。三竿のところに複数回チャンスが来たけど、精度不足でモノに出来ず。あそこが高山だったらどうだろうという思いは強くある。


羽田は今季最も良いパフォーマンスだったんじゃないだろうか。第5節のアウェイ・ガンバ戦ではスカウティングから狙い撃ちされ、実際に宇佐美のボール奪取から決勝点を決められた因縁のガンバを相手にこのパフォーマンスが出来たのは羽田にとっては大きな経験となったんじゃないだろうか。将来的にこのままボランチで使い続けていくかは分からないけど、CBよりもっと難しいと思われるボランチでこのサッカーを理解していってノリさんのポジションを脅かすような存在になってほしい。全然競り負ける雰囲気のしないその高さも本当に魅力だしね。あとはCKからの絶好機は決めきっておきたかったな。



関西学院大からガンバ入りしたルーキーの山本悠樹。ヤットさんの後継者なんて言われてたり各所で高評価だけど、2年前の関西大学リーグで初めて見た。うまいなぁとは思ったものの正直に言ってそんなに印象には残らなかった。ただ当時からかなりの人気銘柄で競合の末、ガンバ入りとなったらしいけど、全くの贔屓目抜きで見てハセの方が全然いいと思うんだよね。ポジションも年齢もほとんど同じだから何となく比べちゃうけど、視野の広さとそれを実行に移せるキックの質、最近はしっかりと体を入れてボールをキープする強さも身につけつつある。多分うちが山本悠樹を獲りにいったとしてもガンバあたりを競り落として獲得出来るとは思わないんだけど、じゃあどうするかって言ったら九州のそれも強豪とは言い切れない宮崎産業経営大からこんな逸材を発掘してきちゃう哲平さんホント優秀だよなと思うよ。ノリさんはもう言うに及ばずだしね。


試合としては十分にやれていたしセットプレー1発に沈んだだけなんだけど、パトリックはその前から抑えきれていなかったしあそこでやられてしまいそうな予感はかなりあったと思うんだよね。だからもっとシビアに勝ち点を追い求めるのであればセットプレーを与えてはいけなかったというところに行き着くと思う。それにはもっと試合をコントロール出来るようにならなければいけないしガンバに勝つというのはそれくらいにレベルが高いんだなと思い知らされるような敗戦だったわけだ。


ただ冷静に考えると、日程とかクラブの規模とか一切関係なく、戦術もお互いに正攻法でぶつかって、それで絶好調のガンバ相手に普通に互角の試合をやれるようになってるって本当にすごいことだよなと改めて思うよ。日程が有利だったわけでもなく、戦術的に奇襲を仕掛けたわけでもなく、本当に普通に互角の試合をやり切って結果は負けてしまったわけだけど、監督の口からも「勝ち点3でもおかしくなかった」なんて言葉が出てくるくらいの試合がやれるようになってるんだもんね。片野坂体制5年目、今の予算規模でどこが天井なんだろうか。来年もまた苦しみながらも成長していくこのチームをサポートしていきたいと思わせてくれた試合でした。負けたけど、本当にグッドゲームでした。しっかり休んで、また2週間後。
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