Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

何かが少しずつ足りない印象(25節札幌戦)

2021-08-21 23:04:04 | マッチレポート21'
個人的にはもうそこしか求めてないと言っても過言ではない「アグレッシブさ」。マリノス戦後に片野坂さんが各所で発信しているコメントを見るに監督からの方向付けは間違いなくやってくれそうだなと試合前は思っていた。まずは5分、増山が縦に付けたパスはこれまでの大分であれば間違いなくバックパスしていたシーン。このシーンだけで今日は大丈夫そうだと思ったけど、これが過去のトリニータを知らない増山だから出来たのか、監督の指示出しによるものかまではちょっと判別出来ない。前者であってほしいと願うけど。もう一つ。前半ATの香川がシュートをフカしたシーン。その前に完全な決定機を外していた香川。このシーンでは中の2人に出すという選択肢もあったと思うけど、迷わずシュートを選択した。枠には入れてほしいという思いはあるものの、決定機を外して迎えたこのシーンでもアグレッシブに行こうという姿勢が失われていないのはいいと思った。


移籍後初ゴールを決めた呉屋。去年の日立台でCKからやられた記憶も新鮮なうちに見事に決めた。VTRで見ると相手DFとの駆け引きでマークを外す動きが本当に秀逸。エンリケ、長沢、伊佐、呉屋あたりから常に3枚くらいが構えてくれているとセットプレーにもかなりの期待感が出てくる。でも呉屋はこれでスタートラインだからね。まだガンバ戦で失ったものを埋めたに過ぎない。すぐに次を決めてナンボ。


両軍の監督も選手もサポーターも全員が「勝たなければいけなかった試合」と評した不思議な試合。札幌側は後半に押し込んだのがその根拠だろうし、大分側は外した2回の決定機がその根拠だと思う。香川も長沢も決めてくれじゃない、決めなければいけなかった。残留争いという有事でなければあそこまで完璧に崩せたことをまず評価したいけど、もう既にそんな状況じゃない。あの2つはどんなことがあっても決めなければいけなかった。特に長沢。あそこで仕事するタスクのみを求められてピッチに送り込まれたといっても過言ではない。そこまでの時間もほとんど存在感がなく、やっと回ってきた決定機中の決定機。ここ最近の長沢の動きに精彩がないのは薄々気が付いていたし、今日は納得のスタメン落ちだったと思う。FWの選手としてあれが決められないのならちょっと役割はないと思った方がいい。


試合後のインタビューで片野坂さんは交代選手たちに「貢献してもらわなければ困る」と珍しく厳しめに言及した。札幌側の交代選手との比較も持ち出してなので相当明確にメッセージを発したと見ていいと思う。確かに前述の長沢もノムも井上健太もみんな良くなかった。新太は水曜日に120分出場したばかりなのでやむを得ないと思う。チーム全体が押し込まれていてやりようがなかったというエクスキューズが通りそうにも思えるけど、片野坂さんが札幌側との比較をしているところを見ると交代選手の仕事を不満に思っているのは明らか。長沢については既に書いたし、ノムについては次はやってくれると信じてる。健太については多分まずは練習場でチームメートの信頼を勝ち取らなければいけないと思う。試合中に健太がミスや精度の低いプレーをした時に周りの選手が両手を広げて不満の意を表すのをよく見かける気がする。これってもう信頼感の欠如以外の何物でもないと思うし、自分の意図や能力を信じてもらうためには練習から理解させていくしかない。そのポテンシャルには多くのサポーターがロマンを感じていると思うから、ここで突き抜けてほしい。


あと一つ。一般的な評価は極めて高いのであまり大きな声では言いづらいけど、自分はどうしてもエンリケを信じきれていない。もちろん個でそのディフェンス能力を見た時には十分にJ1でやれる人材だと思うけど、ディフェンスラインという一つの生き物で相手チームの侵入に対抗するという見方をする時にエンリケの仕事ぶりに疑問符がつく。今日の失点シーンでフラフラしていたのが象徴的。触れない、受け渡せない、侵入してくる選手に寄せられない。そして何よりもほとんどの試合でチームが勝ててないことが最大の理由で、これだけ勝てないチームに絶対的な選手なんているわけないので、エンリケだって聖域ではないし一度動かしてみるのもアリだと思うよ。個人的には坂を真ん中に持ってきてリーダーをやらせて、エンリケ左CB、三竿と香川で左WBを争わせるのがいいんじゃないかと思う。


マリノス戦ほど突撃したわけじゃないけど、後半の押し込まれた時間帯はやはり足が止まってしまったように見える。アグレッシブに行くというのは何もボンボン蹴ってキック&ラッシュみたいなサッカーしようぜってことではないから今日の試合なんかはもうちょっと回してもいいんじゃないかなとは思った。


アグレッシブな姿勢も見えたけど突き抜けるほどではない、北斗も小林裕も少しずつ物足りないけどベンチに本職ボランチいない、交代選手に精彩がないのか機能しないのか苦しいチームを助けてくれるような動きなし等々、このレベルの引っかかること挙げ出したらまだまだ出てきそう。でもどれも決定的なミステイクではないしどこかで十分に取り返すレベルの話なんだけど、それも出来ない。試合後のインタビューで片野坂さんが何度も口にした「勝ち点3」というワード。言っちゃ悪いがこの程度の相手だったらきっちり勝ち点3を取っておかないと生き残ることなんて出来ないよ。この期に及んで何か少しずつ物足りないとかいう印象持たれてる場合じゃないよ。もう時間がないんだから。


昨日書いた記事の通りでいけば、これで神戸からも広島からも勝ち点を取らないといけなくなった。ただ今日は珍しくライバルクラブの結果が大分にとってパーフェクトだったので、少しは延命されたかもという思い。何だろうなぁ、猛烈にもどかしいんだよなぁ。華々しく散るでもなくこのままやんわりと死んでいくのが一番ダサい。もうここまで来て何か少しずつ物足りないとか思わせないでほしい。本当にもどかしい。
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取らぬ亀の甲羅算用

2021-08-21 00:11:43 | トリニータ
言わずもがな残留のための皮算用ならぬ甲羅算用ね。まずは基礎情報を整理。

残りは14試合(ホーム7、アウェイ7)。

25節H札幌戦
26節H神戸戦
27節A広島戦

28節H湘南戦

29節A鳥栖戦
30節A名古屋戦
31節Hセレッソ戦

32節H仙台戦

33節A徳島戦

34節A福岡戦
35節Hガンバ戦
36節A鹿島戦

37節H横C戦

38節A柏戦





残留圏内の16位まで勝ち点7差の19位。7差を埋めないといけないのはもちろん、最低でも3クラブをまくらないといけない。

現実的に考えて14位の柏レイソルから下の7クラブで3つのイスを争うという構図になると思う。生き残るのは3クラブ、叩き落とされるのは4クラブ。


J1が20クラブだった前例がないので、残留の目安をどこに置けばいいのかが難しいところだけど、J1が1シーズン制に戻った2017シーズン以降の16位クラブの平均勝ち点は34.3点。これをベースとして試合数が4つ多いことを考慮するとやはり勝ち点40くらいが残留ラインになるんじゃないだろうか。


大分の現在の勝ち点が16なのであと必要な勝ち点は24。これをどこから絞り出してくるか。下にいるクラブとして幸いなことに6つのライバルクラブのうち清水以外の5つと直接対決を残していること。上に書いたスケジュールの赤字部分に当たるわけだけど、もう当然のこととしてライバルクラブとの直接対決5試合は全勝がマスト。残留争いは自分たちの勝ち点を積むことと同じくらいにライバルクラブの勝ち点が積み上がらないことが大事。だから直接対決で勝つことが大事で、6ポインターなんて呼ばれるわけだ。それが分かっていて前半戦はライバルクラブとの直接対決で勝ち点を配り続けたわけだから生き残るためには5試合全勝がマスト。これで勝ち点15。残りは9。


上のスケジュールを見るとよく分かるんだけど、直接対決以外の強豪クラブ様との対戦は3連戦が3セットになっている。第1シリーズは明日からの札幌、神戸、広島。第2シリーズは9月中旬からの鳥栖、名古屋、セレッソ。第3シリーズはアウェイ徳島戦の後に天皇杯準々決勝を挟んでからの福岡、ガンバ、鹿島。以上の3シリーズなわけだけど、分かりやすく考えると1つのシリーズで勝ち点3を取れれば残りの9は埋められる。つまり1つのシリーズでどれか1回勝つか、全て引き分けるか、もちろん貯金も可。


ということでまとめてみると意外と分かりやすかった。この皮算用ならぬ甲羅算用を難しいと思うか、やれると思うかは人それぞれ。ちなみに自分はもう一度順位表を見直してみて、これまでの24試合が4勝4分16敗という分かってはいたけど目を背けていた事実を改めて突き付けられて、これは途方もないミッションだなと思ったのが正直な気持ち。まあでももうやるしかない。


まずは札幌戦。明日勝てばいきなり神戸戦と広島戦はボーナスステージだよ。そう考えるとやれそうにも思えてくるから「サポーターってバカだな」としみじみ思う。
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