Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

逃した魚

2018-03-10 11:22:29 | トリニータ
明日は第3節・岡山戦。山形戦をきっちり勝っておけば、連勝同士の対戦でもしかすると首位争いみたいなシチュエーションだったかもしれなかったけど、大分がやや自爆気味に勝ち点を2つ落としたので、残念ながら岡山さんに挑戦させていただく立場となった。


岡山は開幕から連勝。徳島に1−0、栃木に3−0と未だ無失点。素晴らしいと思う一方で4ゴール全てセットプレーで流れの中からのゴールも未だなし。栃木は我々も手合わせ済みで実力のほどは分かってるし、徳島は第2節も熊本に負けてるので、相手関係的に浮上してる感は若干あると見てよさそう。岡山の試合を観てて、無失点と同時に試合をコントロール出来てるところに感心した。セーフティリードを取った後にバタついた我々と違い、岡山は3点リードした後は食いつきにこない(食いつきにいけない?)栃木をあざ笑うかのように丁寧にパスを回し続け試合をコントロールした。これは昨年10月の対戦時では出場停止だった喜山や久しぶりに岡山に復帰した上田康太の存在が大きいように思われる。


ボランチが躍動した栃木戦前半、ボランチが完全に埋没した山形戦前半ではあったけど、現象面だけを捉えるのではなく、ボランチがどうやったら数多くボールに関与出来て、そこから展開させるられるかという組み立てから考えていくのが良さそう。岡山もうちもボランチの選手にどれだけボールを入れられるかが試合の流れを決めるポイントだと思う。栃木戦では見事な直接FKも決めてさすがの質の高さを見せた上田康太だけど、終盤にかなり危険なボールの失い方をしてたし、最後はベンチに下がった。若い頃からいいプレーを見せ続けてきた彼も31歳になり、シーズン序盤はまだトップコンディションではなさそう。うちもここが川西スタメン復帰のベストタイミングだと思うし、両軍のボランチの攻防に焦点を当ててこの試合を観ようと思う。


岡山とはガッチリとマッチアップして固い試合展開になることが予想されるけど、イーブンスコアであればアウェイだし止むなしとその状況を受け入れてると、岡山得意のセットプレーでとどめを刺されてしまうような結末が見えてくる。とにかくアグレッシブに。選手が戸惑うような下手な手は加えずにとにかくアグレッシブに。そんな試合が観たい。


2018年のJリーグが開幕して2週間。今季の特徴として外せないのが「ルーキー(2種登録選手含む)の活躍」でしょう。そういう主旨のルヴァンカップ・グループリーグは除いても今年は本当にルーキーがよく試合に出てる。名古屋の菅原由勢、ガンバの中村敬斗、徳島の藤原志龍あたりの新高3は別格としても、高卒ルーキーで出場機会を得ている選手が本当に多い。第2節の岡山−栃木には東京五輪の森保監督も視察に訪れていて、その世代で注目したい選手がいたんでしょう。その岡山は栃木戦の終盤には阿部海大(東福岡)、福元友哉(市立船橋)と2人の高卒ルーキーが同時にピッチに立った。昨年くらいから高卒、大卒の選手を積極的に獲得している岡山。先行投資の意味合いではなく、こうしてシーズン序盤から戦力として使われていて、その方針はうまくいっていると言える。今季新卒選手の入団ゼロだった大分の方針とは大きく異なる。森保監督のお目当ても2人のうちのどちらかだったんじゃないかな。


高卒ルーキーにも関わらず開幕から2試合続けてスタメンフル出場。しかも無失点で、栃木戦では早々にプロ初ゴールも決めた阿部海大。ご存知のとおり、彼は別府のスマイス・セレソンの出身。もちろん大分県出身。高校進学時に東福岡に進み、U18日本代表にも選出され、今季岡山に入団した。数年続いた大分U18からの昇格が途切れた年に阿部海大、安藤瑞希と2人の大分県出身選手(県外所属)からU18日本代表選手が生まれたのは皮肉な感じがする。県内の優秀な人材をもれなくトリニータの下部組織で受け入れられる環境作りはしてほしいなと思う。


無失点試合を継続して阿部海大が地元クラブを踏み台に一流選手への道をひた走るのか、プロ入り後初めての苦い思いを地元クラブから教えられるのか、逃した魚(そもそもうちが3年前に魚として認知してたかどうかは分からない)は大きかったのか、はたまた新たなタイプのカムバックサーモン人事として数年後の獲得を目指してるのか、彼を巡る攻防からは目が離せない。





ただ何となく悔しいので、トリニータのアウェイユニと全く同じデザインの日本高校選抜ユニを着てプレーする阿部海大の写真を貼っておきます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする