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誰も知らなかった「競技規則第40条14項」

 2010年モナコGP最大の見所は、最終周の最終コーナーからフィニッシュラインまでの僅か数百メートルの間で起こった。

 2010年のレギュレーションの内、それが第何条の何項に書かれているのかは判らないが、セーフティーカーの出動・退場そしてその退場時の追い越し禁止解除のタイミングについて「セーフティーカーが本線からピットロードに入ったら追い越しが可能となる」と書かれていたらしい。それはつまり2009年までのレギュレーションで「セーフティーカーが本線からピットロードに入った後、フィニッシュラインを通過後、追い越しが可能となる」から変更された点であるはずである。

 CX(地上波)の解説を聞く限りでは片山右京氏も「今年からセーフティーカーが本線からピットロードに入ったと同時に(フィニッシュライン通過を待たずに)追い越しが可能になっているから、誰かやるんじゃないか」「ミヒャエルがやりましたね」と云っていた。なるほど、ミヒャエルの「勝ち」への執念は大したものだと郷秋<Gauche>は大いに関心していたのだが、どうやらそれば間違いであったようである。

 つまり、2010年の「競技規則第40条14項」には「セーフティーカーが出動し、最終周回の終わりにピットレーンに入ってレースが終了する場合、マシンは追い越しすることなしに通常通りチェッカー・フラッグを受けるものとする」と書かれているらしいのである。つまりだ、「追い越しすることなしに通常通りチェッカー・フラッグを受けるものとする」と云う規程にミヒャエルは違反したのだな。追い越しに関する「最終周の特例」を見逃していたと云う訳である。

 片山氏も、多分近藤氏も、レース直後のアロンソもそしてミヒャエル自身も、各々のコメントを聞く限り誰一人として「最終周の特例」を知らなかったように思われるぞ。ミヒャエルに至っては「チームの指示に基づいての行為だ」とコメントしていることからすると、メルセデスのチーム側でも「最終周の特例」を知らなかった可能性があるな。しかし、最終周にセーフティーカーが先導したままレースを終えることをいったい誰が想定したのだろうか。まっ、そう云う事が起こる可能性はあるはずだし現に起こったわけだけどね。

本件から得る教訓:いま流行の言葉で云えば「コンプライアンス」だ。法令を順守しないことは、結局は回りまわって自分の不利益となる。「損して得取れ」とは、昔の人はよく云ったものである。

重要事項:初出時にタイトルなどに「競技規則第40条13項」と書いたが、「競技規則第40条14項」が正しいようなのでそのように訂正した(詳細はこちらを参照されたい)。確かに「セーフティーカーが出動している間に、レースが終了する場合は、最終ラップの終了時点でセーフティーカーはピットレーンへ入り、競技車両は追い越しすることなく通常通りチェッカーフラッグを受ける。」と書かれている。40条7項においてセーフティーカー導入中の追い越しについて規定されているが、14条はレースの最終周までセーフティーカー導入された場合の追い越しに関する特例事項である。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、これ。何の花かお判りでしょうか。「ミカン」と思われた方は鋭い。そう、柑橘系ですがミカンではありません。レモンの花なんです。5月の連休中に何故か我が家の庭にやってきたレモンの木には沢山の蕾がついていたのですが、先週末あたりからようやく咲き出したのがこの花です。レモンと云うともっと温かい所のものかと思っていたのですが、これは関東南部ならば路地でも越年し実も付ける品種なのだそうです。今から収穫が楽しみです(^^)。
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