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『Live At The Rainbow '74』 Queen ☆☆☆☆
クイーンの74年のライヴ映像が今頃出てきた。こんな早い時期のオフィシャル・ライヴ映像は初めてで、そもそもヒゲがないフレディが歌っているステージは初めてである。ファンにとってはたまらない映像だろう。大ファンというほどでもない私も、やはりこれは入手せねばと思ってブルーレイを購入した。
いやー、みんな若い。全員長髪である。ベースのジョン・ディーコンが長髪でヒラヒラした衣装を着ているのもかなり調子狂うが、一番強烈なのはなんといってもフレディだ。ヒゲと角刈りのマッチョおやじというイメージを完膚なきまでに覆す、長髪、化粧、細身、妖艶のビジュアル系フレディ・マーキュリーである。最初にあの白い蝶みたいな衣装をまとった彼が現れた時は思わず「すげえ!」と声を上げてしまった。この人って最初はこうだったんだなあ。しかし、これぐらいイメージを激変させたミュージシャンも珍しいんじゃないだろうか。太ったりハゲたりして結果的にイメージが変わってしまった人は大勢いるが、自ら意図的にここまでイメージを変えた人を、ちょっと他に思いつかない。この映像を見ながらつくづくそう思った。
それに中期以降はルックスが各人各様でバラバラとなるとともに、音楽性も色んなものがごちゃまぜになり、そのバラエティに富んだところこそクイーンの個性、みたいになるが、この頃は全員長髪全員ヒラヒラ衣装で、まさにビジュアル系の王道。全員のイメージが統一されていることに加え、音楽性もまだサード・アルバムの頃で妖艶なハードロックまっしぐら。ジョン・ディーコンのファンク趣味なんぞ影も形もない。すべてがちゃんと調和している。
セットリストのキーになっているのは大体『Queen II』のナンバーで、雰囲気も完全にあの頃のものだ。当然ながら「Father To Son」や「In The Lap Of The Gods」などのレア曲連発で、『Queen II』が好きな私にとっては大変嬉しいセットリストになっている。キャッチーさやポップさはまだそれほど突出せず、プログレっぽい複雑な構成の曲、複雑なメロディの曲が多い。ヒット曲を連発する後のライヴと比べるとマニアックさがあり、一般受けはしないだろうが、そうしたマニアックさや妖艶なビジュアル含め、クイーンをクイーンたらしめた美学はより濃厚に感じられる。
バンドの演奏はどうかというと、結構上手く、かつ丁寧な演奏をしていることに感心した。クイーンはスタジオアルバムでは激しくオーバーダビングするバンドなので、ライヴでの忠実な再現(特にコーラス)は最初から諦めて違うアプローチを採るというのが定説だが、このライブを見ると、結構スタジオ・バージョンを意識してきちんとコーラスを付けている。「Ogre Battle」のようなコーラスが複雑な曲でも、それなりに再現している。それになんといってもフレディの声が若く、高音が良く出ているのが嬉しい。サウンドの要はブライアンのギターだろうが、ライブ・パフォーマンス全体の柱はやはりフレディの歌唱力だ。
まだ代表曲「Bohemian Rhapsody」が存在しない頃だが、このライヴでは「In The Lap Of The Gods」が「Bohemian Rhapsody」のポジションにあって、「In The Lap Of The Gods」~「Killer Queen」~「The March Of The Black Queen」のメドレーが聴ける。ボヘミアン・ラプソディ・ツアーからは、これが「Bohemian Rhapsody」~「Killer Queen」~「The March Of The Black Queen」~「Bohemian Rhapsody」のメドレーに替わることになる。
ちなみに私はボヘミアン・ラプソディ・ツアーのボストン公演のブートレグ(タイトルは「Rhapsody In Boston」)を持っているが、非常に良い録音かつ良い演奏で、愛聴している。特に若いフレディがハイトーンを駆使して丁寧に歌う「Bohemian Rhapsody」は最高で、そのまま「Killer Queen」~「The March Of The Black Queen」に繋がるメドレーは聴き応え満点だ。「Seven Seas Of Rhye」や「In The Lap Of The Gods... Revisited」でも非常に艶のあるヴォーカルだし、この『Live At The Rainbow '74』のバージョンともまた微妙に違うメロディで歌っている。クイーン・ファンは探してみることをオススメする。
話を戻すと、このライヴでは「Killer Queen」もスタジオ盤通り、ちゃんとフィンガースナップから始めている。コーラスも後のライヴより丁寧につけている。後年はほとんどロジャー一人でコーラスを付けるようになるが、この頃はブライアンもちゃんと歌っている。ただし、なぜか「Killer Queen」はこの頃からすでにフルコーラス演奏していない。目玉曲の一つだと思うが、なぜだろう。
アンコール前の締めくくりは「Liar」「In The Lap Of The Gods...Revisited」の二連発である。ミディアム・バラードの「In The Lap Of The Gods...Revisited」はトリにふさわしい名曲だ。後のライブではこれが、似た雰囲気の「We are the Champions」に置き換わることになる。そしてアンコールは「監獄ロック」などのロックンロール特集。
まだヒット曲も少ないし、「Bohemian Rhapsody」もないのである程度以上のファン向けだろうが、ファンにとっては感涙もののリリースであるに違いない。これを皮切りに、ボヘミアン・ラプソディー・ツアーやジャズ・ツアーの映像も出てこないものだろうか。
クイーンの74年のライヴ映像が今頃出てきた。こんな早い時期のオフィシャル・ライヴ映像は初めてで、そもそもヒゲがないフレディが歌っているステージは初めてである。ファンにとってはたまらない映像だろう。大ファンというほどでもない私も、やはりこれは入手せねばと思ってブルーレイを購入した。
いやー、みんな若い。全員長髪である。ベースのジョン・ディーコンが長髪でヒラヒラした衣装を着ているのもかなり調子狂うが、一番強烈なのはなんといってもフレディだ。ヒゲと角刈りのマッチョおやじというイメージを完膚なきまでに覆す、長髪、化粧、細身、妖艶のビジュアル系フレディ・マーキュリーである。最初にあの白い蝶みたいな衣装をまとった彼が現れた時は思わず「すげえ!」と声を上げてしまった。この人って最初はこうだったんだなあ。しかし、これぐらいイメージを激変させたミュージシャンも珍しいんじゃないだろうか。太ったりハゲたりして結果的にイメージが変わってしまった人は大勢いるが、自ら意図的にここまでイメージを変えた人を、ちょっと他に思いつかない。この映像を見ながらつくづくそう思った。
それに中期以降はルックスが各人各様でバラバラとなるとともに、音楽性も色んなものがごちゃまぜになり、そのバラエティに富んだところこそクイーンの個性、みたいになるが、この頃は全員長髪全員ヒラヒラ衣装で、まさにビジュアル系の王道。全員のイメージが統一されていることに加え、音楽性もまだサード・アルバムの頃で妖艶なハードロックまっしぐら。ジョン・ディーコンのファンク趣味なんぞ影も形もない。すべてがちゃんと調和している。
セットリストのキーになっているのは大体『Queen II』のナンバーで、雰囲気も完全にあの頃のものだ。当然ながら「Father To Son」や「In The Lap Of The Gods」などのレア曲連発で、『Queen II』が好きな私にとっては大変嬉しいセットリストになっている。キャッチーさやポップさはまだそれほど突出せず、プログレっぽい複雑な構成の曲、複雑なメロディの曲が多い。ヒット曲を連発する後のライヴと比べるとマニアックさがあり、一般受けはしないだろうが、そうしたマニアックさや妖艶なビジュアル含め、クイーンをクイーンたらしめた美学はより濃厚に感じられる。
バンドの演奏はどうかというと、結構上手く、かつ丁寧な演奏をしていることに感心した。クイーンはスタジオアルバムでは激しくオーバーダビングするバンドなので、ライヴでの忠実な再現(特にコーラス)は最初から諦めて違うアプローチを採るというのが定説だが、このライブを見ると、結構スタジオ・バージョンを意識してきちんとコーラスを付けている。「Ogre Battle」のようなコーラスが複雑な曲でも、それなりに再現している。それになんといってもフレディの声が若く、高音が良く出ているのが嬉しい。サウンドの要はブライアンのギターだろうが、ライブ・パフォーマンス全体の柱はやはりフレディの歌唱力だ。
まだ代表曲「Bohemian Rhapsody」が存在しない頃だが、このライヴでは「In The Lap Of The Gods」が「Bohemian Rhapsody」のポジションにあって、「In The Lap Of The Gods」~「Killer Queen」~「The March Of The Black Queen」のメドレーが聴ける。ボヘミアン・ラプソディ・ツアーからは、これが「Bohemian Rhapsody」~「Killer Queen」~「The March Of The Black Queen」~「Bohemian Rhapsody」のメドレーに替わることになる。
ちなみに私はボヘミアン・ラプソディ・ツアーのボストン公演のブートレグ(タイトルは「Rhapsody In Boston」)を持っているが、非常に良い録音かつ良い演奏で、愛聴している。特に若いフレディがハイトーンを駆使して丁寧に歌う「Bohemian Rhapsody」は最高で、そのまま「Killer Queen」~「The March Of The Black Queen」に繋がるメドレーは聴き応え満点だ。「Seven Seas Of Rhye」や「In The Lap Of The Gods... Revisited」でも非常に艶のあるヴォーカルだし、この『Live At The Rainbow '74』のバージョンともまた微妙に違うメロディで歌っている。クイーン・ファンは探してみることをオススメする。
話を戻すと、このライヴでは「Killer Queen」もスタジオ盤通り、ちゃんとフィンガースナップから始めている。コーラスも後のライヴより丁寧につけている。後年はほとんどロジャー一人でコーラスを付けるようになるが、この頃はブライアンもちゃんと歌っている。ただし、なぜか「Killer Queen」はこの頃からすでにフルコーラス演奏していない。目玉曲の一つだと思うが、なぜだろう。
アンコール前の締めくくりは「Liar」「In The Lap Of The Gods...Revisited」の二連発である。ミディアム・バラードの「In The Lap Of The Gods...Revisited」はトリにふさわしい名曲だ。後のライブではこれが、似た雰囲気の「We are the Champions」に置き換わることになる。そしてアンコールは「監獄ロック」などのロックンロール特集。
まだヒット曲も少ないし、「Bohemian Rhapsody」もないのである程度以上のファン向けだろうが、ファンにとっては感涙もののリリースであるに違いない。これを皮切りに、ボヘミアン・ラプソディー・ツアーやジャズ・ツアーの映像も出てこないものだろうか。
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