崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「お客様は神様」

2016年04月10日 06時36分57秒 | 旅行
 ある御婦人は買い物が趣味だという。ストレス解消によいという。なぜであろうか。昨日お土産の購入のために百貨店の贅沢な春ファッションが陳列されている所に立った。フロアーの全店員さんの明るい表情、親切さに私は気恥ずかしく、何だか恐縮な感じであった。「お客様は神様だ」と言われるその当人であることを悟った。身分が上昇する感があった。なるほど御婦人の買い物の趣味にはこの雰囲気も含まれるのであろう。私もその雰囲気によってまったく予定していなかった高価なカバンを買ってしまった。最近市役所に寄った時もその雰囲気であった。私たちは新入生をどのような顔で迎えていたか反省すべきである。事務室へ入って暗い表情のスタッフをどうすれば明るく出来るるのだろうか。
 オーストリアの北部ブラウナウに残るナチス・ヒトラーの生家の保存をめぐって話題になっている。この負の遺産をどう使うのか私は関心がある。いわば右翼新ナチス派が民族主義高揚に利用するのか、負の遺産の資料館とするのか。家主の女性は「私はヒトラーの子供ではない」といいなからデーサービスなどで利用していた。家主は勝手な利用を恐れてこれまで国への売却を拒否しており、政府の報道官は「ナチスの支持者のために建物が利用される事態を避ける唯一の策が強制収用だとの結論に達した」と語った。利用方法を話し合ったりしたが、まとまらず、今空き家になっている。破壊すべきなのか、保存すべきなのだろうか。
"Once people refused to talk about the facts... but now they speak about it," "It's a matter of how to deal with the heritage."photo BBC