崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

連載

2016年04月04日 05時51分07秒 | 旅行
直樹賞作家の古川薫氏が先日会った時、毎日新聞下関版に毎週1回、2年間連載することとなっていると話しておられ、91歳の方の熱情に私は負けた気がした。彼の連載には大いに期待する。有名人であり筆力を知っているから連載を楽しみたい。私は8年間毎月一回エッセーを連載している。原稿依頼が直前に来るように頼んおり、負担なし、ほぼ直筆のエッセーである。長く連載していると繰り返しや重複しないようにテーマを選ぶが、以前書いたものが分からず困る時もある。実は同じ題で2回書いたことがあり、読者には申し訳ないと思っている。
 書く側からは嬉しいとか、大変だというが、他方読者側はどうであろうか。狭い地域では地縁や人脈のある人が連載することが多い。地域で筆者を広く発掘していない。それは編集上便利かもしれないが紙面の価値を下げることになりかねない。ある新聞は年中同じ自社関係のものを広告に載せていて新聞ではなく、古い新聞のように感ずる。ある新聞では4人のリレーエッセーの長期執筆、またある新聞には元地域官僚のエッセーなど、読者を退屈させ、遠ざける。連載は両者が慎重にしなければならない。本を書く時も連載の気持ちが必要であろう。毎ページが新しく、意味深いものを書くべきであろう。ただの知識の羅列にならないようにすべきである。書くことは創作である。「創」になるように工夫し、共有したいものを書くものである。それが文である。