崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

戦争遺蹟

2016年04月08日 05時51分28秒 | 日記
 貴重なものを保存するに際し隠したい心が込められている。去年フィリピン調査の時、購入した戦前東南アジアなどで使われた軍票をきちんと保管したはずなのに保管場所が分からなくなり、探すのに数日間かかった。忘れないように、しかも大切に保管したのに探すのが難しい。自宅や研究室を整理しながら捨てるものをゴミに出した。なかなか見つからない。最初は宝探しのような気分で楽しみもあったがドンドン不安になった。読書会でメンバーに見せたことを思い出して林さんに聞いてみた。フィリピン映画DVDケースの中から出た。万歳。昨日の読書会は中国人3人、日本人2人、韓国人1人の満室。新しく東アジア文化研究所の研究員となった楊小平氏が広島から来られて話題を提供してくれた。彼は中国・四川省出身の留学生として広島大学で原爆体験の継承に関する論文で博士号をとられた方である。私が10年間広島大で集中講義をした時ほぼ参加したので彼の研究熱は十分知っている。
 原爆展などからの反核運動であり、決して反米ではない。それはやや政治的かもしれない。中国でも反米は強くない、反日思想も最近のメディアによるものであり、それほどではないというのが中国人たちの意見であり、韓国とは相当異なる。北朝鮮は反米が強いが反日感情はそれほと強くない。私が校正中の『植民地歴史を正しく見る』(韓国語)に中国の小学校の教科書のランア山の抗日戦争の挿絵を見せながら勝戦意識を誇張するといった。その話は中国の誰も知っている話であるという。原爆への世界的な見解も検討した。核戦争では全滅という地球レベルでの脅威に触れた。それは抑止力になっていると夜のプライムニュースでも石原慎太郎氏が主張した。私は読書会で自分が死にあう場面で全滅でも構わないという黙示録、千年王国思想などを紹介し、アノミー状況を招く自爆などにも触れたが皆が驚く表情をしているので詳しくは触れることはしなかった。