崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

逆流する生き方

2014年08月15日 05時05分17秒 | 旅行
 お盆の最中の日、東京から取材に来た記者のインタビューを受けた。帰省ラッシュの時、その流れに乗らず働く人もいる。流れに流されるのは死んだ魚でもできる。逆流するのは生きて、しかも意欲が強いことであろう。内村鑑三の言葉を思い出す。今日は日本のお盆、韓国の植民地からの解放記念日である。インタビューは日本植民地史に関することであった。ある人はその雑誌は危険だといった。つまり韓国非難の傾向が強いという。しかし記者はすでに本欄のブログや他の文を読んでおり、私に客観的な意見を求めた。数日間のインタビューを通して皆私の客観的な意見を求めたことは意外であった。
 世界的に、さらに日韓においても植民地歴史は世界的に広く行われた歴史であることの認識をする必要がある。植民地の旧宗主国に対して反感を持つのも世界的に広い。それが大前提であり、反日感情を持っているのもそれであり、異様な現象ではない。しかし韓国の反日感情は世界的に見ても、東アジアから見ても異常ほど強い。それが日韓関係を左右するのは問題である。日本植民地史は存在しない、植民地は絶対悪という国粋主義者は多い。日本の右翼を非難する韓国全国民の右翼現象を作ったのは誰か、私は戦前の植民地政策によるものとは思わず戦後の韓国の政策、教育、メディアによるものと考えている。今それを直していくために唯一なる方法は少なくとも客観的な多様な視野を持つことであろうと断言した。今私にそれを求めてくれることに感謝している。記者は下関へは初めてだとのこと、グリーンモールを走りながら紹介し、見送った。その足で戦中の下関空襲写真展を見た(写真は主催者の井手久美子氏)。