崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「弘益人間」

2014年08月04日 05時04分35秒 | 旅行
日韓関係の悪化について韓国では日本の安倍総理、日本では韓国の朴大統領に矢先が向けられる。私に韓国のことを客観的に書くということで入国禁止になるのではないか言う人さえいる。しかし日中韓関係が悪くなって、安倍総理は世界的に外交を広げ、走リ回っている。それについて私は敬意を持っていると話すと旅行費用が膨大であると否定的に言う人もいる。物事毎否定的に言う人、肯定的に評価する人と相反する参反、可否に分けられる。白黒をはっきりしろと言われると私は灰色であると本欄でも以前書いたことがある。酒に酒を混ぜるように存在感が薄いが灰色は良いのは良い、悪いのは悪いと言える。それでも灰色の私にも危険を感ずることがある。慰安婦問題について書こうとしている。文末の「…である」の表現の多くを「…ではないだろうか」にしている。日本的な表現になってしまった。なるほど日本文化とは灰色ではないかと思い付いた。
 安倍政権が軍国主義へ向かっているようだという表現にはあまり賛同せず、外交によく働いていると軽く言ったらすぐ講演会の招待券をくれた人がいた。1500人が傾聴する中、その一人であった。産経新聞主催の「正論」など本当に右翼的な雰囲気であった。それは先月のことであったが、「徴兵」という言葉が日本の大衆メディアに表れたことには驚いた。私は20代から現役、予備役の50歳まで兵役の義務を終えて日本にきた韓国の愛国者(?)である。戦前の日本軍制が多く残っている朝鮮半島では南北ともに残存している徴兵制の話が日本で復帰することは、はっきり反対である。灰色から絶対反対の強い色を出す気持である。
 韓国では慰安婦問題で人権を主張するのは良い、法律を作って兵役を神聖な義務としているのも人権問題であろう。徴用、徴兵は志願制に変えるべきである。韓国軍の兵士死亡事件後、4月の一月間全部隊を対象に苛酷な行為の有無を緊急調査した結果3900人余りの兵士に苛酷な行為があったという。気合いや言語暴力、殴打などの苛酷な行為は日本軍からの遺習である。韓国の教育精神として安在鴻氏の「弘益人間精神」という言葉を掲げている。つまり世界的に普遍的な人間像を持っているといえる。その「弘益」を以て民族主義を訴える。イスラムのジハードという言葉が「自分との闘い」という聖句であるが外向けには自爆テロになっているのと同じ脈絡である。正道な灰色主義者が増えてほしい。