崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

雨の弓・rainbow

2014年08月10日 05時18分58秒 | エッセイ
 台風は予想進路を四国へ、下関は直撃されず、夕方わがマンションから門司を飾る美しい虹が二重にかかった。韓国語ではムジゲ、水の柱の意味か、英語では雨の弓・rainbowである。台風で苦労している所もあるだろうに、その光景が嬉しく何カットかシャッターを押した。早速FBに投稿した。「きれい」といわれた。なぜきれいなのだろう。ただの自然現象であるのに。陰鬱な「嵐が丘」、荒い海と雲も作家や画家によって親近感と美しさが発生する。「整理」と「混同」がある自然に人間は混同を整理し、整理を混同させるにすぎないと思う。虹には光が色として整理されている。人間がそれを美しく感ずる。それも長い年月を通して蓄積された美意識からである。
 長期予報ではこの夏は暑いと言われたが台風が次々とやってきて風と雨の多い夏になっている。そのあい間に虹がかかった。自然現象ではあるが、何らかの意思があるのではないだろうか。造物主、神様を感ずる人も多い。今の現代人にはこのような話は科学的、合理的ではない、異様に聞こえるかもしれない。しかし自然現象を見て考えるにつれて神秘主義者になりがちである。深く考えると矛盾を見つける。そして宗教的になりやすい。私は若い時、宗教研究をしたが時間とともにそれからかなり離れている。しかし、今また戻りつつある。