崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「反日放棄宣言」

2014年08月17日 05時21分43秒 | 旅行
 今世界ではイスラム、日本ではキリスト教にアレルギーを持っている人が多い。時々本欄でもキリスト教に触れると読者の中には拒否反応をする人もいた。しかし無神論無宗教の人と言っても実際世界的に広く宗教信者が多いことには知識や関心を持つべきだろう。長い歴史の中、仏教や儒教などが伝統的には概ね東アジア文化圏の価値観や思想を基礎にしている。日韓にしても仏教と儒教などを共有して儒教文化圏と、より広くは仏教文化圏ともいえる。キリスト教の受容においても早かれ遅かれ似てる殉教史を持っている。儒教が国教であった18世紀李王朝の時尹持忠などは伝統的な祖先崇拝から脱脚してクリスチャンになって殉教した歴史がある。日本でも隠れキリシタンの殉教史がある。しかしキリスト教の伝播と定着において劇差を出しており、日韓両国において異様なほど差をつけている。私は以前宗教学者の山折哲雄氏と議論し、共著のものもある。
 フランシスコ法王が韓国を訪ね、昨日光化門大通りで施福ミサを執典し、100万人が殺到したという。世界的には世俗化現象、信者が減り続ける中、新しい伝道集会のようにも感ずる。日本の脱亜は西洋技術を主に受け入れ近代帝国、そして植民地と戦争の道に傾くが、キリスト教が広がることはなかった。クリスマスケーキなどの文化は受け入れても信仰は受け入れなかった。日韓文化の差はキリスト教によって大きく、その関係に左右される。日本人もキリスト教には関心を向けるべきである。それは世界的な文化であり、思想であるからである。その愛と平和の本当の意味を知るべきである。韓国は法王を迎え良い行事をするだけではなく日本を憎まず愛すること「反日放棄宣言」をするのもよいことであろう。