崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

逆境

2014年04月18日 05時22分58秒 | エッセイ
 昨日は憂鬱な気持であった。韓国の旅客船の沈没、まだ生きている人が中に残っていると思われて一秒でも早く救助活動が進むように見守っていた。しかし天候が悪く、順調に進まずイライラしながら不安と失望。それに現地を訪問した朴大統領に家族たちが鬱憤,怒号したという。韓国の古い歴史書『三国史記』には頻繁に雷がなっても王が責任を感じ祭祀を行ったことが出ている。王は自然災害にも責任を持つ伝統的な意識は変わっていない。李承晩大統領が下野した年に多くの農民は凶作の原因だと言った。救出作業は遅れ、怨念が高まって大統領に怒号をしたことも理解できる。マレーシアの飛行機が海に墜落して、いまだに不明な時にまた海上事故の惨事が起きている。海岸に住みながら海峡の景色を楽しんでいながら海が突然怖くも感ずる。
 NHKの現代クローズアップの時間では韓国の船沈没を扱うと思っていたが、レジリエンス(resilience)が放送された。無関係のような関係のある話であった。不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力と定義されていて、つまり逆境を超えて行く心理的な力を表現する言葉である。研究によれば性格的に「脆弱因子」を持っていたとしても、「レジリエンス因子」が十分であればそれが働き、楽観的になれるという。それは生得的なものからその人自身によって獲得されるものまであるという。
 逆境とは何だろう。時々人はさまざまな失望と怨念を持つことがある。各自、自分自身の逆境を超えてきたはずである。今も世界的にも逆境は多く存在する。肯定的な生き方によって超えて行くべきであろう。(写真はネットから)