崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

アイルランドの大統領が英国訪問

2014年04月11日 05時20分09秒 | エッセイ
ヨーロッパなどキリスト文化圏では復活節期に入っている。アイルランドのヒギンズ大統領がロンドンのウェストミンスター寺院で無名戦士の墓に献花したという。アイルランドの国家元首が英国を訪問するのは、1921年に同国が英国から独立して以来、初めての公式訪問となる(写真ネット)。このニュースが新聞下段の短信は私の目にクローズアップされて見えたた。アイルランドとイギリスの和解が最悪の日韓関係とダブって新鮮に感じたからである。
 イギリスは隣国のアイルランドを800余年間支配、侵略、植民地としたのでアイルランドの「反英」民族主義は強い。それは世界的に有名なことである。私はイギリス(大英帝国)が隣国を植民地としアイルランドでは「親英」と「反英感情」、それが独立以来、ギクシャクしてきたのは日韓関係と非常に似ていると見ている。今度の大統領の訪問は「和解」として歓迎されるべきである。
 私は数年前ダブリンと北アイルランドでその国の「悲しさ」を体感してきた。特にアイルランド出身のケースメント氏が犠牲になったことを調査した。被植民地生まれの彼が植民支配者として両国を愛国(?)したが、結局1919年復活節蜂起の反乱に関わってイギリス政府によって死刑された。2年後の1921年アイルランドは独立しても両国は長年対立、葛藤をしてきた。彼の悲運、悲劇は戦後のアイルランドのナショナリズムを高め墓を持ち帰った。私は彼の墓の前で黙祷した。今回ヒギンズ大統領がロンドンの無名戦士の墓を訪問したことを聞いて、私は日韓関係に替えて考えている。和解は難しい。しかし、不可能ではない。