崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「ピカピカ」

2014年04月04日 04時44分12秒 | エッセイ
昨夜民放の4時間番組「次世代へ伝える歌」100曲をかなり長く観た。歌ったこともないのに耳に慣れたものが多い。ぞの時代を生きてきた人として好き嫌い問わず共有している昭和の音楽の文化である。さらに韓国であれば民謡や巫歌から演歌に至るまで広く身に付いている音楽の文化がある。またさらにクラシックやポップミュージックまで広げると世界的になる。日本では韓国のドラマなどが流れてきて、それに伴い音楽など韓国文化も一般化していくのも多い。冬のソナタをもって小泉総理が「ヨンサマ」とも叫んで流行語にもなったのは記憶に新しい。このような現象は日韓において文化交流として盛んになっていきつつあったのに政治家たちによって冷えてしまい、日韓関係が最悪になっている。
 韓国の5人組クレヨンポップ(写真はネット)の新曲「オイ」の歌詞に日本語的な表現があるとしてKBSから放送不適合の判定を受けたという(サンケイスポーツ)。「ピカピカ」など日本語的な言葉が入っているということで許可されなかったという。戦後日本式のものを愛用しながらも「わりばし」「うどん」などの「日帝残滓語」として浄化運動を起してきた長い年月があるが、英語式の外来語は氾濫するほどある中で日本語に対しては抵抗が強い。私は「日帝残滓」の言葉を多く日常的に使ってきた世代である。しかし「残滓語」ではないカラオケなどの新しい外来語にも抵抗があった。「ピカピカ」は残滓語であり、新外来語でもある。
 韓国では日本の右傾化を警戒する国民が多い。それは日本でも同様である。韓国は日本を無視する態度をとる。それは「被害者的高姿勢」のように感じる。一方日本はアジアの唯一の先進国時代という意識を放棄しなければならない。日朝関係になるともっと難しい。昨日東大の真鍋祐子教授を朝鮮会館に案内し、李健南委員長の話を聞いた。彼の先祖の故郷は韓国の全羅南道長興、彼は岩国で生まれ、日本の学校を卒業した。彼は重要な2点を指摘した。拉致問題は金正日委員長が事実を正直に認め、担当者を処罰するということで日朝宣言が出されたのに日本側が守らなかったと主張、私は納得した。もう一つは国交正常化すれば北朝鮮の地下資源と質の高い安い労働力が日本の発展に大きく寄与するという。大いに賛成した。彼は自分の車で朝鮮学校へ案内、校長、教頭先生とも話ができた。私は朝鮮学校の苦しさを知っていて、日朝国交正常化までしばらく辛抱してほしいと慰めた。無政府主義は禁語になっているが、最近のこのような不和状況をみるとその言葉さえ浮かんでくるのは私だけであろうか。