崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

大学の質

2014年04月09日 04時25分35秒 | エッセイ
昨日と今日は気象予報では「ポカポカ陽気」といわれても暖房が必要である。私が担当する「日本文化論」には日本人以外にネパール、中国、韓国の学生がおり、実に国際的な雰囲気でスタートした。教材は拙著『雀様が語る日本』とした。外国からみた日本、そして日本から見た日本、楽しくできそうである。教員の中には留学生が入ってから大学の質が落ちてしまったという否定的な声もある。しかしそれが国際化の一つであり、必然的になる時代であり、避けられない状況になっていくのである。その「質」とは何だろう。学問の質は日本が比較的に高いとは言われていても日本は先進国としての魅力は弱くなっている。学問の「質」には客観的な広い視野が重要である。
 学生募集には熱を挙げてもクラスの中での授業の質はまだ低い。居眠りしている学生をほったらかして、自分の資料だけを読みあげる教員はまだ多い。教員の多くは授業法も知らず、あるいは工夫せずに教壇に立っている人もいる。クラスは教育にならなければならない。その授業の基礎は「聞く、話す、読む、書く」の4つが機能するように行うべきである。授業法に関して専門家を交えて議論する場を設けるべきであろう。授業の質を高めることが最大の学生募集につながると思っている。(写真は4年前凍傷したもの回復させて咲かした洋ラン)