崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

高杉晋作終焉の地

2012年04月16日 05時54分17秒 | エッセイ
 下関に住むようになってから高杉晋作の話や遺跡に出会うことが多い。先日は高杉晋作像が立っている所へ行き、昨日は下関市新地町にある高杉晋作の終焉の地を見に行った。慰霊祭が行われて間もないようで花や蝋燭がたむけられていた。近くにある遺跡でありながら気が付かなかったが、倉光氏の案内で行くことができた。晋作は幕末に奇兵隊を作って幕府を倒した英雄である。幕府への反逆者、逆罪の人でありながら明治維新の契機を作った功労者、英雄とされている。たった27歳の人生で日本の歴史を変えた人である。
 韓国の長い軍事独裁政権を変えた人は朴大統領を暗殺した金載圭である。しかし彼は軍法裁判で速やかに死刑が決まり執行された。忠臣と逆罪とはどう異なるのか。私はアイルランドの大逆罪で死刑にされたケースメントに関心をもって集中的に調べて書いたことがある(『交渉する東アジア』)。その忠臣と逆罪、愛と背信などの価値観はそれほど大それたものではないかもしれないとも思える。考えてみると我々は日常的に信と不信、愛と裏切りを行っているのではないだろうか。