崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

食の広東でドリアン試食

2012年04月02日 04時42分58秒 | エッセイ
 
 日本では桜の花見に行くというがこちらではレーゴ、紫荊、アザレアそして名前も知らない花があちこち咲いている。ブーゲンビリアはそれほど目にしない。最高気温27度、夏のような気温。今日は春の日本へ帰国。嬉しい。人が多く、活気溢れすぎの中国から静かな日本へ。
 広東省博物館では雷州歴史文化展を観た。チケットを売る人が私の「顔を観て知っている」といった。広東省の一地域の特別展で私は韓国の文化もこのような中国の一地域にすぎないような中国の文化的影響がいかに大きかったかを確かめたような印象であった。館内で弁当を食べながら私の留学時代の昔話を案内の星野さん、朴君に語るようなの時間であった。部屋さがしに行った時、韓国人であるということで断られたことに関して、その時同行してくれた人が実は伊藤亜人さん。菅野さんと記憶していたが私の間違いであることが確認できた。
 続けて、炭鉱、港口町、眞珠生産, 織物、書院、学宮(韓国の郷校)、沖縄の「石敢当」信仰などを細かく観た。西漢南城王博物館では王の墓跡、墓の内部まで入れるようになっており、館内には棺と槨、殉葬、死者(王)の胸と背には玉の円盤を載せている。それが死者の霊をあの世に送るという。
 市内で移動する時には普通タクシーを利用するが、それが難しい。遠くはだめとか、なかなか乗れない。中央分離線に立って両側のタクシーを必死に止めようとする。結局満員バスに乗った。道教の仁威祖廟は観覧時間に間に合わなかった。また在来の市場で果物を観歩き、伊藤さんの勧めで一個35圓のドリアンを買った。タイからの輸入品という。美食通りで30分ほど外の道端でまってようやく入り、広東の庶民料理を食べた。今度の旅の最高の、最後の美食であった。やはり「食は広東にあり」であった。ホテルに戻り私の部屋でドリアンの試食会、匂いを気にしながら食べてみた。新鮮さより果物の粥の感じ。アルコールの成分も感じた。お酒を飲んではいけないという話が納得。今度の研究会と調査をすべて終えた。