崔吉城との対話

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朴槿恵、韓国総選挙

2012年04月12日 05時19分35秒 | エッセイ

韓国の総選挙は12月の大統領選挙への予想として位置づけられている。その選挙で朴槿恵がリードするセヌリ党が優位、特に慶北地域では圧勝し、彼女の大統領への展望は明るくなった。大統領選が面白くなりそうである。韓国歴史上女性が初大統領になればという期待も大きい。私は朴大統領婦人が暗殺されてその少女期に母の役割、また朴氏が暗殺されて悲劇の現場に立っていて、政治の大混乱期を経て来た人であり、私には悲劇の主人公のような存在であると感じられる。
 軍事独裁政権の時代は過ぎ、民主化が進み朴槿恵が政治的に名前が流れることがあったが、政治の表面にはなかなか積極的に現れず失言や失敗の少ない政治家に成熟してきた。
 彼女は二つの面で強い。一つは父と母が暗殺されており、恨が後ろ楯になっているであろうことともう一つは彼女の信念と穏健な人品であることである。政治政党のための政治家ではなく、ただ生きている背景と生活がそのまま政治家になったような人であろう。私は陸軍士官学校の教官時代に数回近くでおみかけした彼女の母、当時大統領の夫人の印象とオーバーラップする。善徳女王のような女性大統領を見たいのは韓国の世論でもある。北では三代続きの独裁者がヒトラーの現れの初期の雰囲気の中、ミサイル発射という通告中、韓国の総選挙は平穏な革命を予想させている。