崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

2011年01月15日 06時13分38秒 | エッセイ
昨日、朝8時40分山陽ホテル破壊式に参列した。市文化人、反対グループ、報道関係者など数十人が集まって野村文化協会会長のご挨拶と惜別の合唱の歌などが行なわれた。その足で韓国からのお客さんが泊まっているホテルへ走った。
 書くべき原稿など仕事をいっぱい抱えている中、韓国からの友人3人を案内することになった。さらに川村博忠先生まで運転して下さり、萩へ往復した。下関から新山口までは在来線で、電車でこんなに時間がかかるのかと改めて感じた。金と時間を使いながらまったくの奉仕というか、友情だけの旅行であった。川村先生は運転と入館チケットも買ってくださった。お客さんからはうどんをご馳走になった。浦上美術館は全員70歳以上で無料であった。年よりの権限ではない。社会から保護されていることを感謝すべきである。無料であるからよく鑑賞して、その分以上の金額の記念品など買うのが本当の礼儀である。
 帰りの電車の車内の話題の中で韓国の老人天国のような話が気になる。電車や多くの公共施設に無料や半額が多く老人による疲弊が多く出ているという。大勢の老人の群れが全車内を優先席のように占拠し、若者層から顰蹙される。社会福祉の経験の浅い韓国政府が過剰に老人福祉で「老人天国」を作っているようである。時間が経ったら韓国の福祉は良くなっていくには違いないが問題点が多く出ているようである。
 私の韓国の「老人」友人への奉仕を見る若層はどう思うだろうか。今は退職した、人間関係、利害関係のまったくない人への付き合いと接待はドライな若者たちから見たら全く「無駄」と感じられるかもしれない。しかし、私はそうは思っていないし本当の友情関係で無条件で好きで喜んでやっていることである。(写真:萩県立博物館の前で中央が川村先生、その右崔仁鶴、李相日、左端は洪潤植)