崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

映画「祝祭」

2011年01月13日 06時30分07秒 | エッセイ
下関映画祭への私の推薦作として韓国映画「祝祭」を実行委員たちと事前上映会をした。伊丹十三の「お葬式」に対比する映画である。以前紹介した「風の丘を越えて」と同様林権澤監督の映画である。死を扱った作品であり、高齢者の多い日本で上映するのはどうかと懸念もしたが、最近日本では「おくりびと」ブームもあって大丈夫であろうということで、80代の高齢の方を含めて観たが抵抗はなかったようである。この作品を視聴して、むしろ韓国の方が死を丁寧に扱うようであり、韓国文化を紹介する意味でもよいのではないかという意見であった。ただ字幕だけでは画像を理解するに不十分であり、私が概説を書くことにした。特に「観音菩薩」が「カナン菩薩」などの字幕などは考証すべきであると思った。
 原作者の故李清俊氏の故郷である韓国全羅南道長興が撮影場所であり、去年私が韓国文化へ関心の高い大学教員らで構成された人々を案内したちょうどその場所である。特に私が長く現地調査を行った場所でもあり、訛りの激しい地域の方言が懐かしく嬉しい。しかしそれをどのように伝えるかを考えている。4月8日東亜大学9号館階段教室で2編「風の丘を越えて」「祝祭」を学生と市民に公開上映するので予めお知らせしておく。この映画を楽しく見るには日本の「お葬式」と「おくりびと」を見ることであろう。