崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

爐邊夜話

2011年01月06日 22時01分53秒 | エッセイ
 この頃日本でも寒い。冬が寒いのは当たり前である。冬に寒くないと伝染病がはやるとか、冬に花が咲くと異変が起こる予兆と言われた。時々日本に来られる韓国人から日本ではオンドル暖房がなく、体がすっきりしないのではないかと言われた。私はその意味がすぐわかった。私も日本に来て間もないときには曇って暗い日が長く続く日本の冬、さらに湿度の高い冬が嫌な時期であった。腰が痛くなり、ヘルニアともいわれた。韓国のオンドルが懐かしく欲しかった。しかし私も何時の間にか日本になれたか、韓国のホテルでオンドルを希望して使ってみると空気が乾燥して、座ることが不便に感ずる。
 オンドルに体にくっ付けて暖かさを感ずるのが韓国文化といえる。横になりやすく怠け者になるのでオンドルを改良しようとする運動もあったが高層マンションでもオンドルは愛用されている。日本でも最近オンドルのような床暖房を設置する家も多い。話が飛躍すると思うが、韓国人の人間関係も暖かさを直接的にぶつけ合うように表現する。寒い季節にこそ暖かさを表現する時である。爐邊夜話(火鉢の傍で話す人情談)の季節でもある。