崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

明治大学大学院で講演

2009年06月26日 06時52分26秒 | エッセイ
 昨日明治大学大学院で学生と教員のために「私のシャーマニズム研究」という題で講演した。明治大学では以前、公開講座で講演したものが本として出版されたことがあり、また長い間、日向一雅教授が代表として文部省の科学研究費による研究に参加させていただいたり、韓国などに調査に一緒に行ったりしたことがあり、さらに彼とは共編の本も出版したことがあり、この度はとても懐かしく感じた。
 講演ではアメリカ大陸など広くは麻薬性のあるものを服用したり飲んだりして恍惚状態に入り幻想の世界を体験する文化圏があり、それとは異なって広くアジア・アフリカではリズムや踊りによってトランス状態に入り神に掛かり信託を語るのを特徴としている文化圏があることなどを話した。ドラムなどの打楽器を一秒間で4-7回のスピードで叩きながら踊ると人の精神は変わるというメカニズム、それを利用したシャーマニズムの古典地域とも言われるシベリア、モンゴル、満州、朝鮮半島で私自身が撮った映像を流しながら説明をした。明治大学の自慢の23階の展望談話室で質疑の時間を持った。源氏の権威者の日向先生をはじめ平家を専攻とする牧野先生など、さらに博士課程の学生、韓国からの留学生などの参加者で質高く楽しい時間であった。わたしは大いに刺激された。
 私は韓国でシャーマニズムの本山ともいわれる徳物山と紺岳山の近くで母のシャーマニズム信仰によって、生まれ育ったこと、そこは京城帝国大学の秋葉隆氏の調査地でもあり、さらにわたしのソウル大学の恩師の任宰先生に学び、シャーマニズムを研究しはじめ日本に留学した、自分史のような話をした。シャーマニズムに神秘的なパワーを感じたこと、今後はこれらの話を掘り下げてまとめて出版したいという希望も語った。