崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

誕生日ハプニング

2009年06月17日 05時33分05秒 | エッセイ
 今日は私の誕生日であり、ソウルから姉が祝うために毎年来る。しかし昨日迎えに出たのに下関港で姉の姿はなかった。姉は釜山まで来て乗船の直前旅券の有効期間が過ぎていることが分かり渡航を断念せざるをえず、帰宅したという。たくさんの荷物を持ってきた甥はこの日のために一年間待ちながら私の好物のピーナツや野菜などを作って持ってくるのが唯一の楽しみの母のことをとても残念だと話した。彼は留守の間のことや犬の世話などを隣、近所の家にことこまかに頼んできたのにそのまま帰宅して恥ずかしいだろうとも話していた。
 1950年代に私の友人の兄は英語が達者な方で塾でも教えていたがアメリカ留学のために一年間以上の身元調査を終えて送別会を盛大に受け、餞別金も多くもらったのに何らかの理由で不許可になりアメリカ行きを断念せざるを得なかった。彼はお寺に隠れていたが数年後に死亡した。姉のことは軽いハプニングではあっても本人にとってはとてもショックであっただろうと心が痛い。