崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

携帯を授業に

2009年06月13日 05時45分24秒 | エッセイ
 文化人類学の講義で性について語り、学生たちと討論した。性は生物学的なもの(セックシュアルティ)と社会的なもの(ジェンダー)がある。フロイトは性欲(リビド)は生命のバイタリティだといったが、大部分の社会ではその快楽性を危険として禁欲してきた。快楽は落とし穴であり、多くの人がそれによって滅びたような話もした。
 学生たちとは携帯を利用して講義の感想を受け取るようにして充実した楽しい議論が続く。これからは携帯電話、ホームページ、ブログなどを積極的に教育に利用したい。数年前から学生たちは携帯が主なコミュニケーションの手段であるのでそれを教育に利用することを他の教員たちに提案したが反応は否定的であり、いま私は独自に実験的にしているが、効果は良い。
 学生たちは日本が性に厳しいと思ったが他の社会に比べると非常に緩やかな社会であること、性に関して語らないし、性教育とはいっても不十分であること、性の危険性とその管理の必要性、生殖、隠密なものなどコメントや質問が送られてきた。携帯を通して議論できることを嬉しく思っている。