崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「欧州日本人人気」

2009年06月14日 05時24分38秒 | エッセイ
昨日(2009,6,13)「毎日新聞」(山口版)に次の文を寄稿した。

「欧州日本人人気」(元題:ヨーロッパでなぜ日本人が好かれるか)
              崔吉城

 私はヨーロッパのホテルなどで日本人客が最高に人気があるという話をよく聞いた。日本人は「静かに来て静かに去って行く」からだという。一般的に会議などでも日本人は意見をはっきり言わず内向的である。時々その国民性(?)を変えようとする否定的な意見もあるが、むしろ逆に国際的には今の日本人が好かれているという。つまり非国際的な内向的な素質がむしろ国際的に評価されるという。そのアイロニーはなにを意味するのだろうか。一昔前まではハーバード大学のエズラ・ヴォゲル教授著の日本を誉めた著書『ジャパンアズナンバーワン(Japan as No.1)』が日本でベストセラーであった。その主な内容は終身雇用制に関して肯定的に評価したものである。戦後終身雇用制は日本社会のマイナス面として指摘されてきたものがプラス面で評価されたのである。好かれるか嫌われるかは状況によるものであろう。今GMが倒産し、トヨタが目立つとともに日本企業が見直される話が多い。
数年前フランス・パリ日本文化センターで日本学の研究会が行われた。アメリカのスタンフォード大学ハルミ・ベフ教授、ドイツのボン大学日本学研究所のクライナー教授、フランスのキブス教授以外にイギリスやヨーロッパなどから世界的に有名な日本研究者たちが集まった。懐かしく久しぶりに会った人も多かった。ヨーロッパで特にフランスなどでは日本人が一番好かれるということが話題になった。日本の浴衣を着て都内を歩く人もいるらしい。それは古くは浮世絵、最近は漫画などを通して日本人、日本文化が人気あるという。キブス教授のヨーロッパの古典的な彫刻と浮世絵の比較、フランス国立政治学基金のチャンマリブーシュ所長の発表があった。特に最近の日本漫画のフランス浸透に関する発表に私は感動し、厚く讃辞のコメントを述べた。ヨーロッパなどから日本人が好かれるには長い歴史があった。

「欧州日本人人気」

2009年06月14日 05時24分38秒 | エッセイ
昨日(2009,6,13)「毎日新聞」(山口版)に次の文を寄稿した。

「欧州日本人人気」(元題:ヨーロッパでなぜ日本人が好かれるか)
              崔吉城

 私はヨーロッパのホテルなどで日本人客が最高に人気があるという話をよく聞いた。日本人は「静かに来て静かに去って行く」からだという。一般的に会議などでも日本人は意見をはっきり言わず内向的である。時々その国民性(?)を変えようとする否定的な意見もあるが、むしろ逆に国際的には今の日本人が好かれているという。つまり非国際的な内向的な素質がむしろ国際的に評価されるという。そのアイロニーはなにを意味するのだろうか。一昔前まではハーバード大学のエズラ・ヴォゲル教授著の日本を誉めた著書『ジャパンアズナンバーワン(Japan as No.1)』が日本でベストセラーであった。その主な内容は終身雇用制に関して肯定的に評価したものである。戦後終身雇用制は日本社会のマイナス面として指摘されてきたものがプラス面で評価されたのである。好かれるか嫌われるかは状況によるものであろう。今GMが倒産し、トヨタが目立つとともに日本企業が見直される話が多い。
数年前フランス・パリ日本文化センターで日本学の研究会が行われた。アメリカのスタンフォード大学ハルミ・ベフ教授、ドイツのボン大学日本学研究所のクライナー教授、フランスのキブス教授以外にイギリスやヨーロッパなどから世界的に有名な日本研究者たちが集まった。懐かしく久しぶりに会った人も多かった。ヨーロッパで特にフランスなどでは日本人が一番好かれるということが話題になった。日本の浴衣を着て都内を歩く人もいるらしい。それは古くは浮世絵、最近は漫画などを通して日本人、日本文化が人気あるという。キブス教授のヨーロッパの古典的な彫刻と浮世絵の比較、フランス国立政治学基金のチャンマリブーシュ所長の発表があった。特に最近の日本漫画のフランス浸透に関する発表に私は感動し、厚く讃辞のコメントを述べた。ヨーロッパなどから日本人が好かれるには長い歴史があった。