崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

抑留者弘中数実氏取材

2009年06月15日 05時40分17秒 | エッセイ
 鶴の憩いの里八代村の抑留者弘中数実氏を取材するために出かける前に、9時から行われる子供礼拝に出席した。その礼拝は「花の日」ということで、亀松節子氏が薔薇の切り花と絵の花を比較して子どもたちと対話式でお話を進行、それから二十数人の子供に生け花を坂田晶子氏などの指導で、楽しく面白く行われた。すばらしい授業参観に参加したような良い勉強になった。
 三度目の訪問でようやく弘中氏(90歳)にお会いし旧友のように彼の話を聞いた。彼は抑留中カザフスタンのアルマティなどで鉄道工事などをしたという話を聞き、その記録を打ち文章化した鍬野氏により確認、権藤氏が映像で記録も行った。私は10年ほど前にアルマティを訪問したことがあって話が盛り上がった。彼は捕虜とは言っても自由に収容所から出かけてロシア人、モンゴル人、朝鮮人、日本人にも会ったという。そして4年後に帰国して「浦島太郎になった」といい、物価が高いのに驚き、親族の子供たちが大きく成長したのを見て年月の長かったことを実感、米のご飯を食べて日本に帰ったことがほんとうに嬉しかったと語っていた。彼は収容所の話を青春時代の良い経験を語るように明るい表情語った。帰り道に私ども夫婦と二人の同行の方一行は収容所が私たちの想像していたものとかなり違っていたことが話題になった。